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2006年11月25日

11月25日 コンベア式汚泥乾燥機。乾燥と燃焼について。



特許出願済みのベルトコンベア式汚泥乾燥機。
今回はそもそも乾燥とは何か。
そして、乾燥とは異なる燃焼そして爆発とは何かを探ってみる。


コンベア式汚泥乾燥機のページはこちらをクリックされて下さい。












先ずは乾燥とは何か。

水や溶剤等の液体を含んだ材料に熱を加えその液体を蒸発させる事と言えるだろう。

ちなみに水1gを20℃、1気圧で蒸発させるには2540Jが必要だ。
これを時間換算すると100W(100J/S)の熱を全て蒸発に使われたとすると
毎秒100/2540=0.039g水を蒸発できる。


それでは燃えるつまり燃焼とはなにか。
燃焼とは酸化つまり物質に酸素が化合する化学変化であり、その物質からは光と熱を
放出する。
バーナーのように炎を発するものとタバコのように炎を発しないものがある。
燃焼には酸化する為に酸素が必要であるが、他に点火するためのエネルギーが必要だ。
その点火エネルギーには、炎、電気火花、摩擦熱、反応熱等がある。


物質を乾燥させるとより燃えやすくなるのは、水分、液分が物質から蒸発することにより、
より酸化しやすくなるためと言える。


物質は有機物と無機物に大別でき有機物は融点、沸点が低い。
そのため、無機物と比較するとより乾燥、燃焼しやすい。
この有機、無機の違いは汚泥の項目で取り上げるが乾燥装置を作る際、重要な要素となる。


又、伝わる速さが急速な燃焼を爆発と言う。
衝撃波を伴い超音速で伝播するものを爆ごう、秒速数メートル以上の音速に近い速度で火炎が
伝播するものを爆燃という。


我が町工場で耳にする爆発として
1.粉塵爆発
2.水蒸気爆発がある。

1.粉塵爆発について
 粉体など、通常発火物になるといえないような物質でも、空気中に粉塵となって浮遊していると、
 ひとつひとつの粒は非常に燃えやすいつまり酸化しやすい状態になっている。
 このような小さい粒が膨大な数になって浮遊している状態では些細な発火により急速な化学変化を
 起こし爆発する。

2.水蒸気爆発
 高温の金属と水が接触したとき、水が水素と酸素に分解し、その水素に点火し爆発を
 起こす場合と、高温によって水が爆発的な速度で水蒸気になり、体積を急激に増やすことで
 爆発現象を起こす場合を言う。
 我が町工場の身近な例に高温の溶融炉の事故がある。

 参考サイト:(燃焼、爆発については「爆発なんでも辞典 -MIYAKI版- 」を参照されて下さい。)




次に乾燥の進行について

乾燥の進行については2段階に大きく分けられる。
物質に熱を加えると先ず定率乾燥期間となり次に減率乾燥期間となる。
これは限界含水率と平衡含水率と大きく係わっている。

これらは少々難しい内容なので次回へ。




参考文献:「初歩から学ぶ乾燥技術」中村正秋・立元雄治著
       「絵ときでわかる熱工学」安達勝之・佐野洋一郎著
       「新しい高校化学の教科書」左巻健男編集




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恩を仇で返すような真似だけはやりたくはなかった。
しかし、背に腹はかえられない。
お金がいる。
働けない妻そして子供がいる。
お金がなくては生活ができない。

この町工場ではたいへんお世話になった。
たいへん優しく迎えてくれそして仕事もやりやすかった。
理由を話せば分かってくれ即座に対処してくれる。
生活費が底をつき困り果てた際も苦しい経営状態から無理して給料の前借まで許してくれた。
社長、専務の小遣い、身銭だった。



私も間もなく30歳だ。

私は中学卒業後即、職人になるべく町工場で働き始めた。
ろくに勉強などしなかったが体は身軽で、人付き合いも決して悪い方ではない。

働き始めた町工場は親戚のおじさんが経営していた会社でかなり可愛がられ
様々な職人としての腕を学んだ。
若さもあり身につけられる事は何でも見よう見まねで覚えその職場の私より何歳か年上の
若い職人よりも腕はうまくなったほどだ。
生来、体が身軽なせいもあるのだろう。
又、明るい性格なので頑固な年配の先輩職人からも可愛がられ、毎日が楽しかった。

しかし、何年か勤めるうち次第に毎日の仕事の内容に飽きがくるようになる。
ここは製缶工場なため朝から晩まで一日中工場の中で溶接作業ばかりだ。

年配の職人と既に同じ位の溶接の腕まで上達したと思い上がった考えも湧き出てきたのだろう。
他の仕事もやってみたいという気が起こり、私はその可愛がってもらった親戚の町工場を辞めた。

次の就職先は即座に決まった。
どこの町工場にも若い職人がおらず、私の存在は羨望の的であったようだ。

しかし、次の職場もすぐに飽きが来た。

そして何年か勤めた後又その職場を離れ新しい町工場へ就職した。
年齢がまだ若いという事もあったのだろう。
どこの町工場も私を快く迎えてくれた。
そして一旦働き始めてもかなりの腕前だと褒めてくれる。

うぬぼれもあったのかもしれない。

私は職場を転々とした。
色々な職場を経験した。
そして、様々な職種も経験した。

製缶はもちろん。旋盤。鳶。鉄骨。
どしどし腕を磨きそして自分自身では決して他の職人には負けない腕を既に見につけた
と思い上がっていた。

その傲慢さからなのだろうか。
次第に欠勤もするようになり始めた。
仕事をやっていても自分にかなう奴はいない。
私が一旦仕事を始めればあっという間に完成させることができる。
次第にその仕事内容に飽きが来て月の内半分程度しか仕事をしないようになり始める。

結婚もした。
子供もできた。
しかし、一旦月の半分しか働かない生活に慣れたしまった自分の体はなかなか
元に戻らなかった。
結婚しそして子供ができても変わらない。

新しい職場に勤めはじめると最初の頃は何とか2~3ケ月間は休みなく働けた。
しかし、その職場に慣れてくると次第に休み癖が芽を吹き出し即座に花が開いてしまうのだった。

もちろん妻からは毎日にように責められた。
私の腕に家族の生活がかかっているのだから当たり前だ。

月の半分しか会社に出ないのだから当然会社からは首を宣告される。
そして次の職場へと転職する。
その繰り返しだ。

妻ももちろん子供を保育園に預け勤めに出ていた。

では会社を休んで何をしていたかと言うと。
家は必ず出る。
しかし、後はブラブラと放浪するだけだった。
車には乗るがその行き先は会社ではなく他の方角へ向かうのだ。

給料日になれば当然仕事をしていないことが妻にはばれる。
それは烈火のごとく私に向かうだがこの生活パターンは私自身変えようがなかった。

そして、ついには新しい職場もなかなか見つけるのが難しくなる。
町工場の数が減ったせいもあるのだろうか。
不景気のせいもあるのだろうか。
いよいよ就職につくのさえも難しい状況に陥った。

何とか新しい職場を見つけそこで働き始めた。
とても居心地がよくそして思う存分自分の腕を披露することができた。
職人さんそして親父つまり社長。息子さんつまり専務。
皆とても良い人の集まりだった。

ここでは最も長い期間休み癖の芽は出てこなかったと思う。
しかし、その癖はどうしてもおさまらなかった。

一旦その職場からは自分から辞めた。
しかし、他の職場がなかなか見つからない私は妻とも相談し又頭を下げ
再び働かせてくれとお願いした。

人のいい親父さんつまり社長は一旦辞めた者は決して又雇わないという言葉を発しながらも
最就職を認めてくれた。

しかし、やはり長くは続かなかった。

ここを辞めるとやはり次の職場がない。
なかなか勤め先が見当たらなかった。

働かないと当然お金は入ってこないのだから生活に困る。
そして悪い事は重なるもので妻が病で倒れた。
それもその病気は長く続きそうだった。
妻は床に入りながらも子供の世話だけはやると言い張った。
しかし、仕事をできる体ではなかった。
回復するには時間がかかるだろう。
病院へ行くお金さえもったいなかった。

妻が働けない以上、最早どこからもお金が入ってくる手段はなくなった。

一刻も早く働く職場を見つけなければならない。
しかし、なかなか見つからなかった。


私は最早打つ手はないと判断した。
このままでは飢え死にするしかないと切羽詰まった状況に陥った。

やはりやるしかない。
私はこれを決断するにはかなり躊躇した。
しかし、焦りがその思いをより一層大きいものにする。
それもその決断すべき内容は決して消え去るのではなく逆に大きく膨らむばかりだった。

悪い事だとは分かっている。
しかし、妻と子供を養わばければならない。



私は友人からトラックを借りその町工場の横につけた。
時刻は真夜中でここは街灯もなく人通りも少ない。
それに勝手知っている工場だ。
これで3回目だ。
既に会社は気がついてはいるようだ。
鍵は変わりそしてあらゆる隙間に鉄板が貼られている。

しかし、鳶の経験もある私は今だに身軽だ。
ここの場所からは簡単に侵入できる。

今日もその場所を目指して静かに歩いて近づいた。
ここから屋根まで上り屋根の僅かな隙間から体を忍ばせる。
そしてそのから壁伝いに地上に降りる。
一旦工場へ入ってしまえば中からは簡単に扉は開けられる。

今日も屋根まで登った。
この侵入経路は今だ工場の人物は誰も気がついていないようだ。
しかし、今回で最後にしよう。
かなりの金額に換金できた。
高い金額で買ってくれた。
特にステンそして真中の金額に私の表情はしばらくは微笑んでばかりいた。

これでしばらくは生活には困らない。

しかし、もう一度だけ入ろう。
どうしてもあの大きなステンの丸鋼は運び出したかった。
あれだけ太い上、重量もあればかなりの金額になる。
必ずやあの大きなステンの材料だけは運び出したい。

いつもの経路で先ずは屋根に登る。
そして僅かな隙間に足の先からいれ次第に体全身をその屋根の下に入りこませる。

そしてその屋根の中に一旦全身を入れると、壁に取り付いているC形鋼を一段一段降りる
だけだった。

ポケットに忍ばせてある懐中電灯を照らし、周りを見渡す。
今回は違う。どうも様子がおかしい。

懐中電灯で工場内を照らすと目指すべく材料が元あった場所にない。
それに工場内の扉全てに内から鍵が掛かっている。

目指すべき物がない上、そのものを外に運び出すべく扉も中からは開けられない。
あきらめの思いが頭をよぎる。

しかし、小さなものだと大丈夫だろう。
懐中電灯を照らし工場中を歩き始めた。

ふと目に入った。
その電灯を照らした先の黒板の字が私の目に入った。
私は驚いた。
まさかとの思いで信じられない境地に陥った。

それは黒板に大きく乱暴な力強い字で書かれあった。
その字にはふんだんに憎しみさえも含まれているようだった。

その内容を見て私は決断した。
これでこの行為は終わりにしようと。
今回はこのまま帰ろうと。




黒板にはこう書かれてあった。




「○○○(その本人の名前)。ここの物を盗んでいるのは分かっている。
既にお前の名前で警察には届けた。それに盗んだお金で誰も喜ばんぞ。」と。




○○○。昨日で最後にして欲しかとです。



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読破中。
「川の深さは」福井晴敏著
先は長かとです。
今ブログも今日は長かとです。




それでは又です。




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2006.11.25by 博多の森と山ちゃん