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2006年12月05日

12月5日 コンベア式汚泥乾燥機。加熱方法ーその他 過熱水蒸気乾燥について


前回までで乾燥装置の3方法の乾燥方法について記してきた。
対流伝熱、伝導伝熱そして輻射伝熱方式の3つの方法だ。
これ以外にも乾燥方法はあり例えばマイクロ波乾燥あるいは真空乾燥などだ。

今回は弊社で実際試した方法について記載したい。
それは過熱水蒸気による乾燥方法だ。
但し、弊社のコンベア式汚泥乾燥機ではうまくいかなく敢え無く失敗。
しかし、この過熱水蒸気による加熱は他にはない特徴を持ち実際あるメーカーでは
加熱家電製品として一般市場でも販売されている。

コンベア式汚泥乾燥機のページはこちらをクリックされて下さい。


本日は動画にて我が町工場の様子を掲載した。
少しでも眺めて頂ければ幸いですばい。










それでは先ず「過熱水蒸気」とは。
飽和水蒸気つまりこれ以上水分を含むことができない空気を一定の圧力のまま加熱した
100℃以上の高温の水蒸気を通常過熱水蒸気と呼ぶ。
ここでの一定の圧力とは非常に大切な要素で気体の圧力と温度には密接な関係がある。
例えば圧力鍋の沸点が100℃以上であるのはこの関係を利用したもので既に今ブログで
過去記載した。
この過熱水蒸気を利用した乾燥が過熱水蒸気乾燥だ。
乾燥させるべく材料にこの過熱水蒸気を直接当てることにより乾燥させる。

この過熱水蒸気方法は他の乾燥方法と比較すると非常に優れた特徴を持つ。
1.180℃以上の温度では熱風乾燥より乾燥速度が速い。
2.臭気が発生しない。これは排出した蒸気を液化することにより臭いを発生させる
  成分を回収できるためである。
3.材料が酸化しない。酸素がない状態で乾燥させるためであり、と言うことは
  酸素がないため高い温度でも発火、燃える心配がない。
4.食品の乾燥時に特有の付加価値を与えることができる。

しかし、過熱水蒸気は温度が低いと液化され乾燥機では材料を乾かすどころか
濡らす結果となり得る。
この理由のため我が社のコンベア式汚泥乾燥機では良い結果が得られなかった。

例えば密閉された空間に乾燥させるための材料を貯めておき、そこへ過熱水蒸気を
通風させ、圧力調整弁を通して排気させるとする。
過熱水蒸気は材料へ直接接触し又その過熱水蒸気は大気には触れないのであり
つまり低い温度の気体と接触することはない。
これは全く液化する要素がない事を意味する。

ところが、弊社のコンベア式汚泥乾燥機は常にスチールベルト上に材料を載せ乾燥させる。
スチールコンベアベルトは常に動いている状態だ。
先ずは投入口で材料を載せ、乾燥後排出口で材料を排出する。
乾燥加熱させる空間への入口そして出口にはどうしても材料が動くための空間が必要だ。
空間があると大気が入り込む。
大気は当然水蒸気よりも低い温度であるため加熱部に過熱水蒸気を送ったところで
液化してしまう。
いわゆる先に記した決して大気に触れることのないバッチ式の乾燥室であれば、
過熱水蒸気の特徴を存分に利用できる。
しかし、ベルトコンベア式の乾燥機では大気に触れない空間をつくるのは極めて困難であった。
少なくとも我が社では難しかった。
過熱水蒸気が大気に触れ結局のところ乾燥どころか材料を濡らす結果となった。
確かに我が社のコンベア式乾燥機は蒸気は利用している。
しかし、それはあくまでも伝導伝熱での使用であり直接材料ヘは接触させてはいない。


次回よりその蒸気について記したい。


参考文献:「初歩から学ぶ乾燥技術」中村正秋、立元雄治著




それでは又です。




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読破中。
「氷点」三浦綾子著。
先ずは女性について詳しく描写されている。




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2006.12.5by 博多の森と山ちゃん