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2008年03月31日

3月31日 何とか年度末最終日納品終える。股いや又しても(最終話)。。。



実際製作を始めその工程状況でしか納品日が把握できなかった年度末最終日納品要請の
まれにみる短納期ベルトコンベア。
お陰様で本日何とか電気工事、蛇行調整等最終調整そして試運転までこぎつける。
無事本日3月31日納品完了。
関係各位本当に有難う御座いました。感謝に堪えません。


ひとまず安堵の溜息をついているところだ。
しかしもちろんゆったりと安寧の心地に浸る暇などない。
明日からは遠方へ泊まり込みでの現場出張工事だ。

しばらく今ブログは更新されませんがどうぞお許しを。。。





其れでは今年度年度末最終日にちなんで、誰も読んでいないと思っていたら
密かに誰かが読んでいたそこはかとないあのお話の続きの最終話を。

以前の内容はお手数ですが下記エントリーをお読みくださいませ。

股いや又しても(1)
股いや又しても(2)
股いや又しても(3)
股いや又しても(4)
股いや又しても(5)




とうとうあいつの完璧な眩いばかりの全身全霊が醸し出されその成果が
世間の前へとさらし出されたのだ。
これよりあいつの零細女性ばかりの町工場にも眩しい輝かしい脚光が照らされるの
間違いがない。
僅かな時の流れの中で。僅かな一昼夜という時間で。

いよいよ完成した図面はプロッターのインクにより一枚の紙へ描き始める。
描かれる真黒なインクはA1版の何も描かれていないまっさらな真っ白な紙面へ
あいつの頭脳全てを背負って走り始める。。。




あいつは今更ながら図面がプロッターにて描かれる様子をつぶらな瞳で見つめる。
プロッターによる印刷ペンの先端はあいつの視線に答えるがごとくに左右に滑らかに動き
刻一刻とあいつの全身全霊たる図面を描いている。
事務所にはその動作音のみが響き一定のリズムを刻む。
決して乱れることなく決して途中で途絶えることなく見つめるあいつの聴覚を柔らかに
刺激する。
人生において最後であろうあいつが描いた図面が目の前に現れる様子を決して脇目も
振らず見つめる。
無表情に。冷静に。静かに。
今まで起こった過去の事実など一切存在しなかったかの如くに。
何ら過去を振り返らずに、決して後ろを振り返らずにただ目の前の現象を見つめるだけだ。
最早あいつの頭の中には何も残ってはいない。
それこそこの図面書きでこの世ですべき事項は全て終了したのだ。

いよいよまっさらな真っ白なA1版の紙面は真黒なインクにてありありと堂々とそして
勢いよく描かれた機械の模様が描き終えると図面受けに落ちる。
その音は描く動作音の終了の響きでもある。

身動き一つせずその様子を眺めていたあいつは身を乗り出し今しがた描き終えられた
図面の紙面を手に取る。
すかさず広げると机の上に大きく広げる。
まざまざと黒色の機械模様を眺め、顔を近づけ細かい線の一本一本まで嘗めつくすように
視線を動かす。
しばらくあいつの目は広げられた図面にくぎ付けになりひたすらその動作は続けられる。

残り少ない人生のあいつは突然顔を上げそして一人呟く。
「この世に完璧な図面などあるはずもない。常に変化しそして常に進化するのが
ものづくりだ。完璧だと思うのは驕りに過ぎずそう思った時点でものづくりに携わる
人間としては即座に失格だ。」

そう言葉を吐くと安心したのか椅子にどっしりと座り瞼を閉じる。
そして待った。あいつは待った。次なる時の流れを迎えるために。
次にあいつに起こるであろう出来事をしばらく待った。
あいつはもちろん今まで経験したことのない死を。
決して後悔などせず。決して後ろを振りかえることなどせずに。

だが無理だった。やはりあいつも人の子だ。
何も考えなければ思い浮かばないであろうと思っていたのだが。
頭をからっぽにし何も考えなければ決してとらわれないと決め込んでいたのだが。

一旦少しでもあいつが思い返すととめどもなく切ない心地に襲われる。
決して後悔はしてはいないはずであるのだが次々とあいつにその思いは襲いかかる。
確かに碌に遊んでやれなかった。確かに一緒に楽しい時を過ごしたのはわずかかもしれない。
しかし、あいつにはやるべき事があった。あいつは息子との過ごす時間を最大限削って
女性ばかりの町工場へ身を捧げた。
仕方がないではないか。俺に与えられたそれが使命だったのだ。
家族より町工場のために懸命に時間そして体を預ける事こそが俺の人生だったのだ。

いつしかこみ上げ頬を濡らし流れる。しかし、決して拭いなどしなかった。
とめどもなく流れる涙を決してあいつは拭く事などしなかった。
それが我が息子の面倒を見なかった償いとばかりに。
涙の量が我が息子への愛情の大きさを表してるとばかりに。

あいつに残された時間はすでにほとんどない。
濡れた顔のままその時が来るのをひたすら待つしかなかった。


あいつはふと目を覚ます。
濡れた瞳のまま目を開けぼんやりとだが熟睡しているのだろう気持ちよさそうに
ぐっすりと寝入っている我が息子の寝顔が目に入る。
しばらくその可愛らしく愛おしいその顔の表情を見つめいつしかあいつは微笑む。

そしてあいつは決して涙を拭わず我が息子の横で再び目を閉じる。




あいつはいつしか微笑んだままぐっすりと寝入る。




このあるお話はこれで終了です。
最後までお付き合い有難うございました。
どうぞお気軽に感想を。特に1日500以上アクセスされるスパムの皆様方。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著


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2008.3.31by 博多の森と山ちゃん