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2008年06月05日

6月5日 まさか(3)。。。



声を掛けられ驚く。
今度見掛けたら勇気を出し話しかけようと思ったその人物から声が掛る。
一瞬の戸惑いは瞬く間に消え去る。
彼は昔のままだった。柔らかな口調。笑顔。髪の毛をなでる仕草。
少し低い声のトーン。目じりの皺が増えたがそれ以外は昔のままだった。
相変わらず言葉少なだった。あの頃もほとんど私がしゃべった。
今回もそうだったような気がする。声を掛けられた方が言葉が多かったようだ。
口元からは滑らかに次々と言葉が出る。
当初は敬語だったが次第に丁寧な言葉は消え楽しかった過去の囁き合った口調に戻る。
まるで流れた歳月は嘘だったかの如くに。





嬉しさからかついつい口元からは滑らかに言葉が出る。
話しながらも自分では何をしゃべっているかは記憶に残らない。
相手の言葉もあまり耳に入らない。
嬉しくもあり恥ずかしくもありまるで可愛らしい乙女に戻った心地だった。
当初は敬語だったが次第に丁寧な言葉は消え楽しかった過去の囁き合った口調に戻る。
まるで流れた歳月は嘘だったかの如く。

短い会話だったはずだ。
彼が手を振りながら歩き去る後ろ姿だけははっきりと覚えている。
嬉しかった。別れた後歩く歩調が元気であることに自分ながらに驚く。


其れからも何度か顔を合わせ会話する機会を得る。
しかし、長くはできない。誰が見ているか分からない。
昔の淡い恋人だった過去は今では私は出入り業者としての一人としての立場なはずだ。
この工場内ではあくまでも仕事上での立場での付き合いに過ぎない。
いやそうでなければならないはずだ。
彼からすれば工場内では様々な目がある。
業者、部下そして上司。
特定業者との馴れ合いは必ずしも良い目では見られない。
あくまでもサラリーマンであり家族を抱えている。
大きな会社であればあるほど個人の意見はなかなか言えないところもある。

あいつ女性専務は話ができただけで嬉しかった。
顔はほころび心は弾みどこかしら浮足立つ心地だ。
いつも会話を終えるとわざわざ儀礼的挨拶を交わし別れる。


あいつ女性専務は一人きりになるとさすがに考える。
会うたびに何かしら別の思いが強くなっていくことを。
その思いは自分だけかも知れない。
彼は多分昔の過去を気にしただ付き合ってくれているだけのようだ。
もしかすると見かけても声をかけない方が良いのだろうか。
ふと気が付くと知らず知らずに今更楽しかった昔の心地に浸ろうとしている自分がいる。
彼は家族があり、子供も既に二人いると言う。
一体何を期待していたのだろう。自分にも大切な旦那、子供がいるではないか。
もしかすると独りよがりに自分勝手に思い込んでいたのかも知れない。
そう考えると自分自身を恥ずかしくも思う。
確かに男女ではあるが今の立場はあくまでも直接的ではないにしろ会社対会社ではないか。
仕事上に別の感情を持ち込み事は許される行為ではないではないか。
このままでは私自身がどういう行動を取るか自分ながらに自信がない。
過去のひとしをの思い出ばかりにいつしか占領されついつい思いが募る。

止めよう。なるべく見かけても声をかけないようにしよう。
なるべく知らないふりをしよう。
そうでもしないと。私にも家族がいる。そして町工場がある。
毎日が幸福だ。そのうえ何を求めているのか。
いや求めるものが今の幸せを壊す可能性すらある。
なるべく顔を合わせないようにしよう。なるべく知らないふりをすればいいんだ。
あいつは心に無理やり決め込む。


しかし、決心しその工場から帰社したその日だった。
彼から会社へ電話があったのは。。。




まだまだ続きを読まれますか。


それでは又です。


読破。
「神様からのひと言」萩原浩著
面白く思わずニタニタしてしまう本です。
良か作品ですばい。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著


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2008.6.5by 博多の森と山ちゃん



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