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2009年12月02日

12月2日 【なぜ、今バイオマスなのか(7)林業は一体】 木質バイオマスと木材チップ乾燥機



バイオマスの中でも食料問題そして効率、エネルギー収支から木質バイオマスは有利な立場に
あると思われる。ところがこの木質は様々な問題を抱えている。その問題ついて探求していき
たいと思う。
だが、弊社はあくまでもものづくりで生計を立てており木材について携わった経験は皆無に
等しい。今後記載する内容は文献に頼っている旨お許し頂きたい。







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林業の過去

必ず推進すべき木質バイオマスでな先ず原料の供給元である森林の問題に突き当たる。
課題は国内の林業の大きな不振だ。

過去、第二次世界大戦後木材市場は好景気に沸いていた。売れそうな木は手当たり次第
切り出され、山は年を経るごとに薄くなっていった。山岳地帯の国有林の天然の林でさえ
伐採が進み丸坊主の山があちこちに出てきた。雑木林、成長が止まった老齢の天然林さえも
積極的に伐採され当時は成長の早い針葉樹の人口林に変える政策が取られていた。
広範囲の伐採、皆伐により山崩れ、川の流れの不安定さにより土砂崩れ、洪水が何度も
あちこちで起き、木材供給増加のため人工造林が急がれた。だが、林木が収穫できるように
なるまでには20年、30年はかかる。需要増加には到底間に合わない。その結果、外国産
の木材が大量に輸入されるようになる。日本の林業は安い外材に負け市場競争力を失い
木材生産量はとめどもなく落ち込んでいく。
だが、外材輸入のお陰で日本の森林は救われた面もある。もし外国産を輸入しなけければ
日本の森林はさらに荒れひどい結末を迎えることになっただろう。
一方、東南アジアでの日本への木材輸出により森林消滅と言う由々しき問題が本格化
していく。熱帯雨林の乱暴な伐採により破壊されていった。森林破壊の現場が日本から
海外へ移った訳だ。これは熱帯、北方の森林の犠牲の上で国内の森林の保護が成り
立っていたと言える。
ところが国内での森林を管理し早く自前で木材が出荷できるようにしなければいけない
この期間森林放棄と言う最悪の事態が待ち構えていた。国内森林4割の人工林がまともに
除伐、間伐されず放置されたままになっている。森は間伐されなければ過密になり
活力を失い携わる人々は収入がなくなり人は出て行き管理ができなくなる。
その原因は間伐材の出口の問題だった。間伐されても利用されず経費は国の補助
だけで足りず所有者にはコストの負担がある。間伐材の行き先がないのであれば
収入はない上、お金を取られる。これでは誰も森の管理はやらなくなる。
そこで間伐材を利活用する様々な活動が行われている。その中でも木質バイオマス
での利活用は大いに期待したい。


林業の危機

80年以降1000年以上に渡って活況を呈した森が利用されなくなり木材生産量は
減少の一途を辿り木材自給率は20%を切っている。
世界全体の流れは原生林の時代は終わり木材生産は人工林に移りつつある。
特にヨーロッパ諸国では木材生産量が増えている。これは林業に対する考え方の
違いにあるのではないか。例えばイギリスでは人工林を保有するのは金融機関や
投資家であり、経営は民間の林業請負会社。請負会社はたくさんの山を一括経営。
学卒の若い技術者が能率的な林業機械を使いこなす。
一方、日本は林業の長い伝統に縛られ年輩者が細々と家族経営でやっている。
この差が出たのかも知れない。

又、価格の問題がある。建築用材木の価格には1)製材品、2)製材用丸太(素材)
そして3)伐採される前の立木の価格の3種類がある。これらのうち立木価格の下落が
著しい。
60年代までは木材需要旺盛での国産材立木は高い価格だった。
だが、70年代に入り木材需要の伸びがなくなり外国産木材の輸入に伴い次第に外材が
市場価格をリードするようになると国内産丸木、立木の値段を押し下げた。
日本の製材業は規模が小さく機械化も遅れた。70年代以降北米、北欧との生産性
格差が目立つようになる。平均賃金の上昇、生産コストの上昇も影響した。
大型機械を使用する欧米と比較すると労働生産性に3倍の開きがある。
(森林の山の形も影響しているのだろうか。)
85年以降は木材市場はほぼ完全に国際化され外材も資源の枯渇により上昇するように
なる。製材価格も上がっている。しかし、国産材特に立木の価格は下がっている。
以前とは様相が変化が出てきている。建築様式の変化に伴いスギ、ヒノキの需要の
減少。一方供給側は政府の助成などで生産量を増やそうとする。需要と供給の関係が
崩れている。
又、木質材料は人工乾燥、再加工、仕上げ加工と工場化され、従来大工が製材工場
からの挽材そのまま建築現場へ持ち込むことはなくなって行った。
住宅での立木代のコストのウエイトが次第に低下し材木を育てる森林保有者へ行く
お金が減少傾向にある。


今内容の出典元は「木質バイオマス発電への期待」熊崎実著 林業改良普及双書です。
ご興味がある方は是非本を手にしお読みください。今内容以上に詳細に理解ができます。
又、私は決してこの出版社の回し者のでもなんでもありません。

今シリーズまだまだ続きます。


木材チップ乾燥機のページ

木材チップ乾燥機のカタログ



それでは又です。


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2009.12.2 by 博多の森と山ちゃん