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2006年10月21日

10月21日 モジュラーベルトはカーブ、直線一本のベルトで搬送できます。



一瞬私の心臓の鼓動は停止した。
その原因は電話の受話器向こうより聞こえるお客様の声だ。

何とお客様こう発言した。
「コンベアが止まったばい」と。
そうだ。止まった ばい だ。

体全身は総毛立ちそして震わせながら即座に行動に移す。
この体の振動は決して貧乏ゆすりではない事を書いておかないと私に対する
勘違いがより一層あの真実味を帯びてしまう。。。。




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本日のカーブ直線モジュラーベルトコンベア試運転はお陰さまで良好でした。
これから少々手直しを加え、出荷へと。
納期間に合います。
嬉しさで体が震えています。
この振動はここでも決して貧乏ゆすりではない事を断固としてそして歴然と書いておくとです。




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その電話のお客様は一部上場企業の大手さん。
一年中。365日一日として休みがない。


そのため一日として搬送ラインを停止するわけにはいかない。


私はそのトラブルの電話を受け即座に客先に向かうべく行動を移す。
先ずは私一人が出向き、そのトラブルの内容を確認する事に。
私一人で対処可能であればそのまま即座に対応。
しかし、私一人では手に負えない場合には我が町工場の我らが職人の助けを借りなければ
ならない。
そのため、客先へ向かう前にその対応方法を事前我らが職人には説明する。
そして足早に車へ乗り込みハンドルを握りアクセルを踏む。

しかし、客先へと向かう自動車の中で私はあることに気づいた。

確かこのお客様。
最近修理メンテナンスしたはずだと。
こんなに早く壊れるはずはないのだが。と。

いぶかしく思いながらも向かわないわけにはいかない。

それは、客先ではラインを止める事はできずそこに人を一人貼り付けているらしい。
それに我が社は次なる注文を既に頂いている。
それも競合相手は一部上場企業の大会社。
このお客様何と我が零細な町工場へその大会社を蹴ってわざわざ発注して頂いているのだ。

客先の工場へ到着すると現場へ即座に案内される。
お客様の表情からするとかなり困られているようだ。
明日、日曜日も客先では当然ラインを動かす。
そのためラインが停止しないようわざわざ人を一人つけておかねばならないことになる。
それは可能な限り避けたいとの意向だった。

私は早々に先ずはそのトラブル箇所を見せて頂いた。
ところがだ。
やはりであった。
こちらへ向かう車中でのいぶかしさがさっそくここで現実となったのである。

その停止しているラインを眺める。
即座に私はお客様へ発言。

「弊社の製品ではありません。」

そう回答しながら私はある二者洗濯いや選択を迫られていた。

それは、
1.他社製品を扱うのは一切お断り。即座に引き上げる。
2.他社製品であろうと機械機器はどんなものでも見知っている。
  快く素早く修理対応をする。

お客様の困り果てた顔を見ながらイニシャルHの称号を欲しいままに受け取っている私の
選択はもちろん決まりきっている。

上の数字で言えば3だ。。。。。





いや2だ。

客先担当者の困りきっている顔つきを見捨てるわけにはいかない。
その顔の表情を喜びへの表情へとさせないとやはり私のイニシャル○の称号の
沽券にかかわる。


先ずはそのトラブルの原因を探るべくそこまで至った現象をつぶさに確認させて頂く。
そして実際物を流しその現象を自分の目で確認する事により、私の脳裏に焼き付ける。

センサーは反応しているようだ。
どうも駆動部がおかしい。
センサーランプは点灯しているが回転しないのだ。

紛れもなくその原因は駆動モータだと判断する。

早々客先担当者へその主旨を説明し予備のモーターがないかどうか確認する。

果たして担当者の返事は。
それはあるとの返事。
私は即座に持って来て欲しいと要請する。

担当者が交換すべきモーターを捜している間、私はこの機器の構造を嘗め尽くすように眺め
そして実際手を使って当たりかまわず触ってみる。

日頃毎日ものづくりそれも機械、機器に携わっている身。
そのトラブルを起こしている機器の構造は意図も簡単に把握する。

即、解体。

担当者より工具類を借り即座に修理に取り掛かる。

しかし、何せ我が社の製品ではない。
そして初めて自分の目で見、手で触る機器だ。

少々手こずりながらも客先担当者と協力しながら事を進めて行く。
時には担当者へ相談しながら。
時には担当者に助けて頂きながら。

一致協力して修理と言う行為の時は流れて行った。

果たして。
お陰さまで無事終了。
結局。客先担当者。そしてイニシャル○の私のたった二名で。

私は事前に既に我が町工場へ連絡していた。
「誰も来んでよかけん。」


モーター取替修理。
少々手間暇はかかったものの何とか無事終了。

いよいよ動かしてみる事に。

さあっ。
物が流れてきた。

センサーランプが点灯。
即座に回転始めた。
その取り替えたモーターが回転始めたのだ。

う~ん。
成功だ。

そのモーターが回転した瞬間。
客先担当者の顔つきは喜びの表情へと変貌を遂げていたのは書くまでもないであろう。


実の所。
他社製品に携わる事日常茶飯事だ。
しかし、私にとってはとても勉強させていただいている。
たいへん有り難いことだと思っている。
それは他社製品の構造。仕組み。そしてその機器への考え方。
非常に参考になっている。
盗めるものは盗み。そして真似ができるものは即座に我が社の製品に反映させている。

そういう意味では他社製品に携わる機会を与えていただくお客様には感謝こそすれ
決して恨みつらみなど一切ない。
むしろ私にとっては大歓迎なのだ。


そしてトラブル発生と言う機会こそ機械機器の仕組み、構造を見直す意味では
絶好の機会だと常に感じている。
トラブル発生の原因。そして現象。
それに対する対応。

それらを鑑み今後如何にトラブルが発生しないような構造、仕組みにするかのヒントが
トラブルと言う現象により大いにあらわになっているのは間違いないはずだ。


しかし、今回は無事回ってくれてよかった。
事を進めながらももしかしてうまくいかなければと言う心配と不安が一切ないというと
嘘になる。

今日も新たな大きな経験をさせて頂いた。
いつもお客様には感謝している。たいへん有難うございます。

これも一つの人助けだと勝手に自己満足でしかない解釈をしているところだ。
今日はぐっすり眠れるはずだ。
例え、我が家の長であるあの人の鼻から響き渡るあの音波を耳にしてもだ。


そして、本日の行為でイニシャル○の面目は立ったはずだ。
最後に今震えているのは決して貧乏ゆすりではないと断固として書く。

この震えがあの我が家の人物が今ブログを読んでいるという事実への疑いの恐れへの
震えだとしても。




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最近の我が九州は福岡、博多の町工場の様子です。



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下記写真は本日無事試運転成功したモジュラーベルトコンベアです。
今製品の特徴は大きく2つあります。

1.カーブ、直線が一本のベルト。
2.アキューム稼動。

この1.と2.が同時に可能なベルトコンベアはこのプラスチックモジュラーベルトコンベア以外
ないでしょう。




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それでは又です。





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2006.10.21by 博多の森と山ちゃん