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2007年02月25日

2月25日 ものづくりのメロディーを口ずさみながら。



本日はひときわ静かだ。
早朝は少々空には薄暗色の雲がいくつも漂っていたが、いつのころよりか
青空をふさぐものは何もなくなり、太陽がその採光を一斉にこの住み慣れた大地に
燦燦と降り注ぐ。
太陽は昇りそして沈む。
その経過を長きに渉り眺める事など今の自分には望むことすら不可能だ。




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しかし、静かだ。
本日の静けさの理由は休日の曜日のためである事は即座に頷ける。
我が九州は福岡、博多の町工場も休暇日だ。

しかしながら、私は事務所で一人図面描きに没頭している。
誰一人私以外には存在しない。

ひたすらパソコンの画面に向かい、マウス、キーボードを使いこなし次々と書き上げる。
それは書き上げない事には既に切羽詰った状況である現在を打破できない。

日曜日は電話などの邪魔が入らない。
そのため私はものづくりのメロディーを大いに口ずさむことができる。

そのメロディーは今現在パソコンのスピーカーより聞こえているRenaissanceのあの名曲
「Midas Man」とはもちろん異なる。
しかし、このバンドのボーカルの伸びやかな女性の肉肉しい歌声にはいつも圧倒される。
決して綺麗ではないが、力強い高音が聞く者の心を慈しむ。
リズムはあのプログレシックロックであり、私はイエス、ピンクフロイドより好きだ。
ひときわ優しいプログレであり、最も親しみやすい。

初めて耳にしたのが高校生の頃でであったはずだ。
その頃心打たれ懸命に聴覚をわざわざ刺激させていたあの「Midas Man」が
今現在の私の耳より脳細胞を刺激している。

そのゆったりとした広大なる勇壮なメロディーにいつも安寧そして安逸を授けてもらえる。


そして、このリズムに私は載せられいつしか自分なりのものづくりのメロディーを諳んじる。
本日は日曜日だ。
この事務所には誰もいないのであり、周りの会社はシャッターを閉めより一層静寂さを
演出している。
思い切りものづくりのメロディーを口ずさむことができる。
それは口を大きく開け、喉を震わせ声を出してもよいのだ。
日頃と異なる装いで仕事に邁進できる。

そのものづくりのメロディーは如何なるリズムでそして如何なるテンポなのかは
その一瞬一瞬の自分自身の状況次第だ。
くつろぎを感じそしてひときわ安らぎを感じるかそれとも勢い勇ましい今にも駆け出せる
リズムなのか。

沈着冷静な雰囲気はこのメロデイーでいつしかものづくり作業へと変貌を遂げさせる。


しかし、そのメロディーはしばらくの間止めざるを得なかった。
それは思いもしなかった出来事であった。




本日の昼間。
それは突然の出来事ではあった。
ほか弁より購入した唐揚弁当の蓋を開け、箸を袋から取り出し、いよいよまずは唐揚を
ほうばるべく箸で挟もうとしたその時だ。
事務所の扉がノックの音もなく一気呵成に開く。
当然その扉から放たれた音の方向へ顔を向ける。

あの方の笑顔がそこにはあった。

私は訝しく諮った。
先日高速客船ビートルで隣の国へ渉ったと聞いていたのだが。

この方には休日はない。
盆、正月、GW全てなし。
日本が休日であれば海外へ飛ぶ。
あるいは海外からの来客の応対をする。
平日のスケジュールが合わなければ日曜日でも対応する。
いや、せざるを得ないと本人は嬉々とした顔で平然とのたまう。

しかし、本日は日曜日だ。
それにも係わらず満面の笑顔でいつもの冗談で口角泡とばす。

既にこの方は分かっていたのか。
やはり素晴らしい方だ。

この方は何もかもお見通しなのだ。
国民の休日である日曜だから。
誰しもが休みであるこの曜日だから。

私が休日は決まって事務所でものづくりのメロディーを口ずさんで仕事をしている事を。


短時間で我が事務所を後にされた。
しかし、それからももちろん事務所ではメロディーは長きに渡り心地よく響いている。


そしてこのものづくりのメロディーは本日間もなく他の音曲へと変わるであろう。
それは本日が2月25日。今日だからである。
既に我が家族とは約束されられた。
一切、家族孝行など行っていないし、また家族などお構いなしに仕事に没頭している
我が身は約束させられた。
帰宅後は確かに肩身が狭い。
休みなく働く者にとって我が息子の「今度いつ休むと。」との問い掛けほど我が心を
傷つけそして引き裂かれる言葉は皆目ない。

そんな身分の私は約束させられた。
我が核家族からの提案によりその決定は下された。




「今日はおとうさんの誕生日やけん皆で外食するばい。」と。




もちろんその際口ずさむメロディーはあのハトポッポである。。。。。。




いや。ハッピイバースディ ツー ユー だっ!!。





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それでは又です。



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2007.2.25by 博多の森と山ちゃん




2007年02月24日

2月24日 ひたすら光を放ち続ける。



溶接光の不可視光線である赤外線は目に有害です。
必ず溶接面、遮光眼鏡を身に付けご覧下さい。


















それでは又です。



2007年02月20日

2月20日 果たして、過酷なのか。


他人のことを嘆くくらいなら自分自身を責めるべきであろう。
不平不満で嘆息するのであれば、それは自分自身の恥を世間に晒しているに
過ぎないはずだ。


又しても我が町工場の一人の若者が出勤しなくなった。
慌しさと忙しさが同居している昨今、人が一人でもいなくなることは多大なる影響がある。

それは他の職人への負担を大きくするのものであり、突然の長きに渉る無断欠勤は
少数での人員での町工場にとって経営の要の一部を損じると諳んじても過言ではない。

それほど多忙でない時期には、誰かしもが休まない。
むしろ暇な時期ほど進んで出勤する。
その心地は十二分に理解ができる。
誰しもが楽をしたいのは当たり前であり書くまでもない。

ところがである。
確かに今回の多忙さは極めている要素はある。
連日残業が続き、私個人は正月休暇以来碌に休んではいない。

当然ながら忙しければ個人個人の仕事量は増加するのであり、疲労も増す。
疲れるしそしてだるくもなる。
当然であるし、そういう時期があるのは町工場でなくても当たり前の光景ではなかろうか。

我が町工場ももちろん3K職場だ。
きつい、汚い、危険。
きちんと3拍子が揃っている。

しかしながら、若者に対するベテラン職人の若者に対する指導には人一倍気を使っている。
決して怒鳴る事はない。
過去の苦い経験がその結果を生んでいる。

今まで何人もの若者が我が町工場を去った。
それら若者はいずれもいつの間にか音信不通となり、二度と顔を見せなくなる。
その度に職人は考え悩み自分の指導方法ヘの訂正を加える。
様々な方法で試すがどうしても若者は我が町工場より去って行く。

今回もそうだ。
慌しく、そして自分の能力を精一杯出すべくこの時期に姿を現さなくなる。
一人のまだ20歳そこそこの若人がついぞ我が町工場より消えた。

間もなく70歳に近づこうとしている我が親父は今だ工場で張り切っている。
親父にしてみれば孫に近い年齢の者がいなくなったということになる。

確かにきついだろう。
連日の残業だ。

疲れるきつい行動など誰しもがやりたくないはずだ。
それは十二分に理解できる。
しかしながら自分以外の周りに人物は誰しもがそのきつい決して楽ではない仕事を
こなしている。
そして、それも年を重ねた体力的には自分自身よりかなり劣っているはずの先輩が
疲れきった体を押してさらに体力を使いきろうとしているのだ。

はからずしもこの程度の文章を書き刻んでいる私だ。
それは少しも若者の心を掴んでいないのであろう。
自分自身を恥じ、そして更なる対応を考慮すべきであろう。

そして、又しても我が親父は早々にハローワークへ求人を願い出る。

-------------------

それは起こるべくして起きたのか。
その原因は一体どこにあったのか。

確かに人員が一人減った負担はその周りの人物に当然ながら降りかかる。
それも会社自体が切羽詰った状況での忙しさ。
その負担を更なる精神力そして体力でこなさねばならない。

それは無断欠勤の若人に見切りをつけ求人を願い出た当日だ。

我が町工場で座り込み片足を抱え呻いている一人の若き職人がいた。
我が親父はそのただならぬその様相に気がつきそして近づいた。

「おいっ。どうしたとや。」

既に右足の安全靴は足から放たれ、両手で抱えた足の靴下に少しばかり血が滲んでいる。
「おいっ。」と親父は再度言葉をかける。
若き職人は額には汗を滲ませ何とか言葉を吐いた。
「足の上にこれが。」

その若き職人の視線が移った先を見ると大きな鉄の部品がころがっている。

この重く大きな鉄の塊が足へと直撃し当然ながらその右足が途端に悲鳴を上げたのだ。
足の先端は安全靴で守られるのであるが、先端より足首に近づくにつれその
安全靴は本来の機能を果たさなくなる。
その安全性が満たされない足首に近い部分にその重しは伸し掛かってきたらしいのだ。

親父は早々に事務所にいる営業マンを呼び出し、会社の近所の外科へと車で
連れて行くよう指示を出す。

既に片脚は機能を果たさず、その足を引きずりながら歩く姿はそれこそ痛々しい。


この光景は決して経験などしたくはない。
しかしながら、忙しく慌しくなると怪我が付き纏う。
疲れから思考回路は鈍りそしていずれは自分の体が脳細胞からの指令をまともに
受けなくなってしまう。
職人の肉体活動においては特に休養は必要だ。
そして今回の連日の残業の中でもきちんと休みは取らせてはいた。

そこにはやはり焦りが追加されたのであろうか。
人員は決して余るほどいるはずもなくそして補充しようと行動した矢先であったのだが。


幸い骨には異常なく、大きな怪我そして事故ではなかった。
現場工事は無理としても工場での労働は何ら問題ないとの外科医の先生の応答だった。

それでも精神的ダメージはあるはずだ。
いや一瞬でも肉体的苦痛は追加されたのであるから、疲労はさらに重なったはずだ。

今日は帰宅して安静にするように指示を出す。
それは当然の行為であり更なる労働に費やす日々を慮れば誰しもがそうするであろう。


誰しも事務所の人間はその若き職人は我が町工場より姿を消し、そして早々に帰宅したと
思っていた。
いや、誰しもがそう判断するのは当然であるはずだったのであるが。


しばらくして、我が親父は今回の騒ぎが静まり落ち着いた後、再度工場へ向かう。

しかし、たちまち即座に事務所への階段を駆け上がり、事務所の扉を思い切り開けた。
開けた途端早々にまくし立てる。

「あいつ。溶接しよったぜ。怪我の足はスリッパのままで。」

その表情には安堵感が浮かび上がっていた。

私もその様子はしっかりとまぶたに焼け付けた。
それは見る者によってどう思うか又どう判断するかは様々であろう。

その本人も若き職人だ。
いつ間にか姿が見えなくなった人物も若き職人だ。
決して比較などはしたくはない。
しかし否応なしのそうしたくなるのはやはりその人物よく見知っているからなのであろうか。


そしてその姿を過酷と思うのか。
痛々しいと思うのか。
それとも健気と思うのか。

人それぞれであろう。
周りの人物にとって見た目ではいかようにも判断が可能だ。

本心はその本人に尋ねるしかない。

皆さんも是非その様子を眺めて頂く為若き職人の写真を掲載した。
それは何人にとっても余計なお世話だとは理解しているのではあるが。












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それでは又です。



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いつの日かゆったりと読書の時間を。
いつの日か。



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2007.2.20by 博多の森と山ちゃん




2007年02月18日

2月18日 最早息の付く暇は。。。。

















それでは又です。



2007年02月08日

2月8日 残業の日々はいつまで続くのか。

















それでは又です。



2007年02月06日

2月6日 くたびれてはなかとですが。


4TONユニック車を日頃利用するレンタル屋で返却する。
返却が終了すると私は、そのレンタル屋に置いてある我が社のワゴン車に乗り込む。
既に時刻は夕方5時は過ぎていたはずだ。



我が町工場のワゴン車に乗り込むと一目散に帰社するべく、近道となる
裏道をひた走る。
国道は混んでいる筈だ。
私の目論見は見事成功し、車数が少ない裏道をスムーズに走る。
快調だ。
しかし、どうしても最後の工程は国道を走らねばならぬ。
裏道を通り抜けいよいよ国道3号線へと入る。
案の定だ。道はかなりの混み様だ。
時間帯も日頃車量が多い頃だ。

その渋滞は最早日頃の日常の出来事であり、既に体が覚え即座にあきらめに似た
感情が湧き起こる。
イライラと言う逆撫でした思いは決して自分自身を襲わない。
やはりそれは慣れであろうか。

その渋滞した国道を、前の車の速度に合わせゆっくりと車を走らせる。

その緩慢な速度が私に影響を与えたのであろうか。
車のハンドルを握る手の感覚が次第に遠のく。
そして、目の前が何故かしらはっきりとせず、次第に暗くなる。

はっと気がつき、すかさずブレーキのペダルを踏む。

しかし、私の体は次第にゆったりとくつろぎ始め体全身の感覚がなくなっていく。

おっと。いけない。

まぶたが落ちかけていた目の感覚の本来の姿へと懸命に戻し、目を強制的に無理矢理開く。
目を大きく開いたままアクセルをゆっくりと踏む。

渋滞は続き目の前にある車の行列がなくなる気配などあるはずもない。

信号は赤だ。
当然車を止め、信号機の丸い青印が点灯するのを待つ。

しかし、目の動きは赤く点灯している信号機から離れ次第に下向きに向かう。
そして、次第に視界は薄れ暗闇が現れる。

いけない。
はっと顔を上へ上げ前の車を見つめる。

走り出した。前方の車が走り出した。
すかさず我に返り、アクセルをゆっくりと踏み我がワゴン車を進める。

あの交差点を右に曲がれば我が町工場だ。
必死に目を開け、体中の筋肉をわざわざこわばらせ力をふんだんに込めハンドルを握る。

はっきりとした意識で右へと折れそして我が町工場の裏にある駐車場へ入る。
既に外は真暗だ。夕闇が我が町工場を襲う。
たどり着いた我が工場は今だ電灯は明々とつき、旋盤を回す音、グラインダーの音
そして溶接の音がところかまわず聞こえてくる。

今日も残業か。

バックしてようやく決められたその駐車場の位置へ我がワゴン車を止める。
車を止めほっとした瞬間。
私の体を大きな倦怠が襲う。

疲れたのか。

まぶたは我が目を覆い始め、意識が遠のく。
すかさず運転席の横のノブを後ろに向け、仰向けにその椅子背もたせを倒す。

たどり着いた安心感からか。

最早視界は真暗で自分自身の意識を司るはずの脳細胞は夢の世界へと導く。

図面が間に合わない。
次々に受注が舞い込み既に手に終えない状況になっている。
既に5月連休時の仕事の内容が脳裏を横切る。
蒸気のみのコンベア式汚泥乾燥機は果たして成功するのか。

様々な光景が我が夢の中を走馬灯のように駆け巡る。

無意識の中でも浮かび上がるのは仕事の内容ばかりだ。
なぜあの私が最も愛好んでいるイニシャル○○が浮かび上がらないのだ。

その残念なる思いが我が意識をはっきりとさせ、眠りから私を覚ます。

さあっ。
無理を重ねねばならぬ。

体が既に疲れていることなど既にお見通しであり、風邪が完全なる回復をみないのも
そのせいであろうと察しはついている。

何故仕事をやり続けるのか。
理由などない。

あるのはその真摯なる姿のみだ。
そのやっている姿がそこにあるのだ。

安倍総理が日頃口にする「美しい国」とは実は「美しい姿」があってこそだと自分勝手に
解釈している。
一生懸命何事も行っている姿はやはり「美しい」。




それでは又です。


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「風林火山 風の巻」新田次郎著
一向に読み進んでいない。



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2007.2.6by 博多の森と山ちゃん




2007年02月04日

2月4日 決してかまびすしくはないのだが。


最近自宅にて頻繁に耳にする言葉。
「私はあんたの家政婦じゃないとばい。 」
そして。
「あんた。休みもなく働きようばってん。いっちょん金持ちになれんやない。」
この発言は至極最もであり反論の余地は一切ない。
それどころか私自身が大いに首を縦に振れる頷ずかざるを得ない内容なのだ。


本題に入る前に、
昨今の九州は福岡、博多の町工場の様子をお時間の許す限り下記掲載ビデオをご覧下さい。








これより、冒頭の我が家庭で耳にする発言の内容について
二つの着眼点より徒然に綴ってみよう。
あくまでも至極私見であり、今内容についてあらゆる定義され得る否定についても
お気軽に指摘して頂きたい。

1.先ず議論という観点より。

夫婦間における会話は果たして科学的議論と言えるであろうか。
科学的議論とはその背景を全く無視しその物事のみに対して議論を重ねる。
しかし、実際は科学的議論が起こるのはかなり現実性が乏しい。
ある物事の考えを披露した場合、それに対して否定されると人間たる故に
自分自身、私と言う存在まで否定されたのように受け取る。
発言するものは、決してその人物を否定しているのではなく、あくまでもその物事のみに
議論を行おうとしているのであるが、発言する者と受け取る者の相違はかなり大きい。
科学的議論の対になる政治的議論。
物事の議論以上にその事実の背景にある人物をなるべく慮って議論を重ねる。
その事実が間違いであっても、決して首を横に振らずあくまでもその発言した人物を
肯定しその上で間違いを正当化まで行ってしまう。
政治的議論の果ては、人の言うなりと言う結論が着いて廻る。
権力者、商売上の優位なる人物、組織での上役などに対しては人間たる故に
自分自身の日頃の生活にも係わる為致し方ない側面もある。

この2つの議論から発生される発展、展開ついてのみに限ると科学的論議は
大いに優位に立つ。
その科学的議論によって人間生活の有意義なる発展にまで私は繋がると日頃思いに浸っている。
しかしながら、一個人の社会的立場からは政治的議論でしか存在し得ないのであろうか。

ここで最近、興味深い新聞のコラムを紹介したい。
日本経済新聞に掲載されていた内容だ。

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「ほんとう」への挑戦 一橋大学名誉教授 野中郁次朗

要約する。

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アメリカ陸軍博物館の前庭に日本の九五式軽戦車とアメリカのM24チャーフィー軽戦車が
並べて展示されている。「勝てるわけない」と直感できる。
司馬遼太郎は、日本の戦車兵は日米戦車の性能差を熟知していたにもかかわらず、
「こんな戦車で戦えるか」とは誰も口にしなかった、と言う。
当時の航空参源田実氏に、大艦巨砲主義を否定する画期的な「航空主兵」という概念が
なぜ日本海軍で共有されなかったのかと伺ったら「職業意識の強い船乗りが失業するから」
と答えられた。第一次大戦で英国陸軍が機甲師団という概念の実現に遅れをとったのも、
英国騎兵隊が反対したからだ。
組織の中で現実を直視し真実を語ることは人を傷つける。
上司に迎合する「茶坊主」や「平目」は組織の普遍的な現象であり、人間の弱さを象徴している。

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この先、野中氏は最早ものづくりの真髄といわれる巨大組織トヨタについて取り上げている。

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トヨタでは、現場で真実を追究するために「なぜを五回繰り返す」ことをしつけとしている。
これはひとつ間違えると人を傷つけることになりかねない。普段の会話でも「なぜ?なぜ?」と
問い詰められたら感情を逆なでされ気分を害するだろう。しかし、トヨタでは、これが知の作法と
して共有されており、個人の問題にはしないので、堂々と追求されるという。
人知は万物を知りえない。絶対の真実があると信じて、問いを執拗に発しながら試行錯誤を
反復する以外ない。ホワイトヘッドは「すべての真理は半分の真理である」と言った。
組織の自浄作用は、組織知の作法が日常実践の中に組み込まれているかどうかに依存する。


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以上だ。

野中氏の文面を拝読する限りにおいてはトヨタの強さは科学的論議を容易に行え得る組織
だと垣間見れる。
又、それが真実だとすると、トヨタが世界最強の自動車会社へと直(ひた)走っている背景が、
科学的議論の重要性、そしてその価値の偉大さに気づきそしてそれを当然の内容として
受け入れている柔軟なる組織集団が歴然と存在している目の当たりにできる真実が
はっきりと自分の目の細胞へ映し出される。

特にものづくりそのものの行為には科学的議論の重要性は実際携わる身にとって
自分なりには認識しているつもりなのだが。
しかしながら組織が存在する限りその現実性は人間の感情とも重なり、簡単にそして柔軟に
受け入れる集団へと変貌させるが如何に困難であるかは昨今の新聞紙上を賑わす大企業の
不祥事から判断可能であろう。

では最小構成にて、又日常生活の最も重要である家庭における会話は一体科学的議論で
あるのであろうか。
最たる夫婦間での会話。
我が家族の例をとれば我が嫁様の口から発せられる機関銃並みの口角泡飛ばす内容には
毎回普段に以上に無口になり、私の態度は馬耳東風そして馬の耳に念仏へと展開される。

つまり会話自体が果たして成り立っているかについての先ずは議論が必要だと
痛感する次第であるのである。


そして
2.ものづくり仕事のやり方手段について。

確かに休みなく家では食事を取り風呂に入って寝るだけの生活が長きに続いているが
一向に俗に言う金持ちになれない。
私自身、酒は飲まず煙草は吸わない。
唯一の楽しみは読書を楽しむ程度。
自分自身より出る金は僅かな程度であるはずなのだが。
本来、衣服を纏い、飯を食らうことができればそれで満足ではある。
しかしながら、働きづめの毎日がひたすら続いたとしても果たして我が家庭には
金銭的裕福は実現するのであろうか。
その問いに対する回答は今現在は答えようがないという現実が歴然と我が身に
降りかかっている。

それでは毎日の仕事として繰り返されるものづくりのやり方、手段は如何なるものであろうか。

我が町工場は我が親父が起こし既に42年の歳月が流れる。
起業当初は旋盤加工の大企業の下請けを行っていた。
しかしながら、利益が余りあがらないと分かるや下請けを一切止め、製造工場の
設備の修理あるいは改造を始める。
製造工場への浸透を図り新規設備も手懸けるようになる。
主に製造工程のラインを手掛け、ある時期はかなりの収益を上げたらしい。
しかしながら、ご多望に洩れず不景気のどん底を味わう。
最近ではネット取引も盛んになりようやく借金も僅かづつではあるが返済し続けている。

去年の今頃はやらされた感はぬぐえないが結果としては念願の自社製品を開発し
特許申請も実現した。
確かにこのコンベア式乾燥機は従来にはない画期的な製品だと言葉も頂き引き合いも
活発だ。
しかし、1号機以降1件たりとも受注には至らなかった。
原因として、乾燥時に使用する電気ヒーターのランニングコストの大きさ。
熱源として最もコスト高になるのは電気であるのは自明の理だ。
それにデモ機を作るだけの資金の余裕がなかったのも尾を引いた。

しかし、転機が訪れた。
シンギュラーポイントそして臨界点には必ずや人との出会いがあると言われるが。
全くの同時期に異なる2名の方がこのコンベア式乾燥機に目を付けられ
弊社に訪れた。

「電気を使用せず蒸気のみで乾燥させましょう。
そうすれば必ずしや売れます。」
お二人とも異口同音だ。

この意見には、今までの乾燥機への引合の内容から即座に頷ける。
乾燥機で蒸気乾燥の機械装置はもちろん存在する。
しかしながらいずれもバッチ式であり連続式は存在しない。
火気を使用しない上、電気も使わない。
蒸気のみでの乾燥をそれも連続式で行おうと言うのだ。
過去の失敗がある。
この過去製品の設計者は決して成功しないと断言している。
果たして。
実はこの装置機械以外にも様々な仕掛けが考えられている。

自社製品開発の上、販売する。
それも大手企業、強者が決して手を出さない非常に狭い分野のみに我が町工場の
あらんばかりの力を注力する。

自社製品販売こそが我が町工場の従来よりの目的そして目標なはずだ。
ものづくりには作る技術がもちろん必要だ。
しかしながら会社を発展させるためには何を作るかと言う観点が大切なのは書くまでもない。
昨今の社会情勢を鑑みそして何が必要とされているのか。
その必要とされているものを最も狭い領域で一点集中でものづくりを行う。

私もあの方の言葉を信じている。
「この乾燥機が完成すればたいへんなことになりますよ。」と。
あの方の発想もふんだんに取り入れてある。

次なる売れる自社製品。
目下、我が町工場脇目もふらず開発製作中だ。

第1号機が隣の国へと出荷される予定なのは、やはりブランド以上にその製品を
見る目が我が国とは違うせいなのであろうか。
一部前金も現金であの方からは頂いている。

先ずは開発成功しないことには熟睡できない。
これからも休みなく眠れない日が続く。

果たして我が嫁様の私に対する発言は今後変化するのであろうか。
乞うご期待。




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それでは又です。



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読破。
「天と地と 下」海音寺潮五郎著
このシリーズ三巻は上杉謙信について書かれてある。
謙信の雌雄の関係である武田信玄についての著作は数多く見受けられる。
しかしながら謙信についての著作は少ない。
他では吉川英治氏の川中島での戦いについて書かれたもの程度であろうか。
天才肌、直感鋭く短気で一生女性とは縁を持たなかった人物像の本来の姿に
少しは近づけたのはこの上ない喜びだ。
何を今頃との声は当然聞こえてくるのは分かっているですばい。

読破中
「風林火山 風の巻」新田次郎著



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