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2007年01月28日

1月28日 梨の礫(飛礫)。


もちろん最早休日などない。
正月休暇以来仕事尽くめで休暇はない。
これから先もしばらくは休日と言う2文字は私の身から葬り去られているのであり
既に安逸そして安寧の心地はお預けだ。
それは我が核家族における自分自身の身の置き所は既に研ぎ澄まされた僅かな
空間でしかない事実が一つの回答であり、それを当然の如くの事として受け入れている。




当初は咳が出てきた程度であった。
多分軽い風邪だろうと自分自身を慰めマスクで顔を覆い日常の活動との変化は
何らなかった。
しかし、咳は止まらずそれどころか回数は多くなりそれに一旦始まると何度も続く。
次第に喉は痛くなり、くしゃみを頻繁に繰り返す。
鼻水は止まらず、涙が悲しくも嬉しくもないのに湧き出てくる。
体の節々の痛みが始まり、体全身がだるい。

だが、この程度であれば年に何度かは体験する軽い風邪の症状であろうと過信していた。
自分自身、風邪では決して熱は出さないし、いくらだるくても寝込むそして仕事を休み行為など
一切ない。

しかしながら今回は様相が異なった。
体全身のだるさに一切回復がみられず、それどころか次第にきつさが増す。
呼吸も荒くなり意識が朦朧とさえしだした。

「この程度で仕事を中断してどうする。」との問い掛けを自分自身に何度も繰り返し
すぐにでも横になりたい心境と対峙しながらPCの画面を見ながら図面を描き続ける。
頭の回転は既に鈍りマウスを動かす手の感覚も薄れている。
それでも今回背負った案件の偉大さに立ち向かうためにも決してここで作業を止め
寝込む訳には決していけない。
降りかかる脳への麻痺活動と懸命にそして必死に戦いながら図面を描き続ける。
最早、話しかけられても即座に回答などできるはずもなくただひたすら自分自身へ対する
病魔と言う敵に対してもがき苦しみそしてあらん限りの気力を降り注ぐことにより対抗する。

最早、いくら会社の事務所を暖房機を総動員させようとも自分自身の体の寒気は一切応じない。
室内にいながらブルゾンを着込む。
ぞくぞく伝わる背中からの寒さが身にこたえる。

「もうこれまでか。」
一切図面を描き続けることを拒否した自分自身の体に対し会社のソファーに横になる時間を
僅かな時間設ける。
しばらくすると、だるい体を全力にて起こし又しても図面描きを続けようとする。
既に考える動作を一切拒否した脳細胞に対して必死に指令を送る。
緩慢な手と目の動きでPCのCAD画面の動作は通常の1/10にも満たないであろう。

震えとだるさで今にも倒れこみそうな心地を必死に押さえ込みその上朦朧とした意識で
図面描きを無理やり推し進める。
こんな状態でまともな図面が描けるのかという最もな疑問点も一切はねのけ、全身全霊を
もってしてまでも仕事を続ける。

徒歩通勤の私にとってその通勤時の辛苦がまともに降りかかる。
一歩一歩踏み出す脚の速度は緩慢で遅く、まともに顔さえ前にあげられない。
呼吸は絶え絶えであり、頭痛が容赦なく襲い下方に目線はくれたまま脇目もふらず歩く。
何とか前には進んでいるのであり、よろめく体の感覚を抑えるのに必死だ。
歩く動作に対する体の疲れはとてつもなく大きく、咳込み苦し紛れの呼吸の中であっても自分自身を
前へと進める。

帰宅した頃には、全身の疲れは最高潮に達し我が核家族の冷たい視線にも一切応答せず
自分で準備した煎餅布団で食事を拒否し、そして風呂も入らず眠りにつく。
しかしながら熟睡はできず、催す吐き気、頭痛そして何度も襲ってくる咳と格闘しながら
必死に寝入ろうとする。

ろくに眠りにもつけずに朝となり、今までのだるさと変わりのない体を懸命に起こし
出勤の準備につく。
おもむろに体温計を取り出し、脇に挟む。
「ピピピピピ~」と言う電子音と共に体温計のデジタル数字に目をやる。
「やはり熱は出ていたのか。」
38度近い体温計の数字に一人心地に呟く。

普段全く熱をださない身にとって38度近い体温の数字は意識を朦朧とさせる力があるのであり
仕事を中断させようとするなどもっての他である。

決して仕事を休む訳にはいかない。
病院開業の時刻を狙って診察してもらうべく駆け込む。




早々、長時間の点滴を行ったのは書くまでもない。



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今回の案件には多大なる期待がある。
ある方の長年の苦労の土俵の上に成り立っている大きなプロジェクトだ。
確かにこのものづくりが成功すれば、私自身も常識を覆す内容だと確信している。
コスト、寸法、時間どれをとっても画期的な内容であり従来にはないものだ。

しかしながら、ものづくりに携わる者にとっては製品が完成しその上で物を流し
うまくいって初めて成功であるしそれこそが本来のものづくりと認識している。

「100%成功します。」その断言を固く信じ、頑固にものづくりに邁進している。

もちろんたくさんの方々にご支援を頂きながら、続けていく。
このご支援がないことにはこの案件は決して完成しない。

必死さで先ずは製作を終えそして試運転への運びへと一刻の猶予もない。




最後にどうしても書かなくては。
毎日たくさんのお問い合わせ有難う御座います。
しかしながら殆ど碌に対応できていません。
申し訳ありません。心よりお詫び申し上げます。
必ずや早い時期にご回答申し上げる所存です。
「梨の礫(飛礫)」には本当にお詫び申し上げます。




それでは又です。
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読破。
「天と地と 上」海音寺潮五郎著
「天と地と 中」海音寺潮五郎著。

読破中。
昨今は読書できる環境にはない。



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2007.1.28by 博多の森と山ちゃん



2007年01月21日

1月21日 先日帰国しました。


緊張の日々が続く。
今現在のものづくりにおいて最大の悩みがやはり納期そして期限。
息の付く暇も無い。
もちろん本日も仕事だ。

その理由の一つには先日2泊3日で日本国を離れ飛行機で隣の国へ訪問した
事実もあるのだが。





先日ある方と隣の国へ飛行機で旅立った。
もちろん遊びではない仕事だ。

いよいよこの世にないものづくりは始まっているのであり、具体的処理方法そして寸法等を
現地視察を兼ね打合せのため訪問した。
今回はある方と訪れたのであるが、詳細を書く訳にはいかない。
内容を公開する行為そのものがそれに係わっている方々へ多大なる迷惑となる。

そのため隣の国大韓民国の現地の方とお会いしそして受けた印象を箇条書きで
書きとめておく。
あくまでも私見であることは了解頂きたい。

1.空港からソウルへ向かったのだが道路が広い。
  もちろん戦時の際の滑走路としての役割を考慮してあるのは書くまでも無い。

2.ソウルも暖冬。
  ソウル中心街を巡る大きな川は、冬には凍結するらしいが今冬は今だ凍っていない。

3.ソウル市内は高層ビルが乱立し、土地がなく値段が高騰。
  最早バブルに近いらしいが。

4.総じて金持ち。ウオン高、円安。
  賃金は最早日本より高いのでは。
  日本へのツアー旅行客が多いのはこの円安せいだ。

5.工場は既に中国へ移転。
  やはり安い賃金を求めて工場は海外へ移転しているらしい。

6.日本製品の信頼度は抜群。
  日本製は高価だが品質は大丈夫との認識がある。

7.IT分野は日本に以上に進んでいる。
  携帯テレビ電話を使用している光景を目の辺りにした。
  又、パソコンはあらゆる箇所で使用可能。

8.言語は日本語そして英語が通じる。
  日本語そして英語での会話があらゆる箇所で聞こえきた。

9.韓国の食事は辛い。
  とにかく辛い。

10.酒の飲み方は凄い。
  ビジネス終了後酒を飲むのだが飲み方が日本国とは異なる。
  現地産焼酎を小さなコップに全く薄めないで一気に飲む。
  隣に水が入ったコップがあり、焼酎を飲んだ後その水を口に含む。
  勧められたらの飲まざるを得ない。
  すさまじい。

11.飲酒運転の取り締まりは厳しい。
  あらゆるところで取締りを行っている。
  口を開け息を掛けるだけで飲酒量が測れる機器があり、それを口元に近づけられる。
  その数字を確認するだけで判断できる。
  さすがIT国だ。

12.人との付き合いが大切。
  会社名ブランドも大切だろうがそれ以上に人との繋がりが最も重要。
  同行させて頂いた方も何回もだまされたらしい。
  日本国での仕事は会社名ブランドが真っ先に来るが、この国はそうでもない面が
  多々あるようだ。
  つまりどれだけ実際にやれるかだ。

13.ITに対する投資金額は莫大。
  例えば10件の案件に投資するとして、その内1件でも成功すれば利益を稼げる
  らしい。

14.子供の頃から日本語、英語は覚え込ませる。

お会いした方々は一切、会社ブランドに頼った仕事を行っていなかったが。
実際の実力がものを言うようだ。
日本以上にその色彩が濃い。
同行頂いた方の韓国での信頼度たるやすさまじいものがあった。
再会の喜びを互いに抱きつき表現していた。特に現場の方。
そんな行為は殆ど無いらしい。
その方の今までの苦労が偲ばれる。

15.黄砂で土地を作っていた。
  空港自体が飛んできた黄砂を固めて作った土地の上にあるらしい。
  ソウル市内は土地が無いため郊外の土地の造成があちこちでされていた。

16.アニハセオ~。
  日本人と全く変わらない。
  私の方がより韓国人らしいと言われた。
  さすが儒教の国。
  目上を重んじる。
  招待受けた人物が箸をつけないことには食事は始まらない。
  酒を受ける、握手する際必ず空いた手を必ずどこかに添える。

17.食器を手に持たない。
  今回実際現地の方と現地にて現地料理を口にした。
  ごはんはスプーン食べる。
  おかずは金属製の箸で食べる。
  決して食器は手に持たない。
  そして昼間から焼酎を小さなコップで一気飲み。

18.国際都市ソウル
  ソウルは様々な人種が行きかうグローバルな国際都市。
  そこに近い都市福岡で暮らしている私。
  飛行機で1時間10分。

19.現地視察の場所はあの北朝鮮に近い場所。
  ソウルから向かう途中北に近づくにつれ壁に有刺鉄線が張り巡らされた軍事基地が
  あちこちに見られた。
  視察箇所の真上を軍用ヘリコプターが何機も飛んでいた。
  あくまでも現在停戦の状況であり終戦ではないとの事だが。

20.携帯電話の国際契約忘れていた。
  このため日本国内との連絡に不都合が生じた。
  現地にて電話を借りたが。やはり長電話はできない。
  帰国が一日遅れたのだが、我が嫁様には連絡しなかったため帰国後我が嫁様
  一言も口をきいてくれない。
  しかし、連日の飲み会で就寝が午前様であったのは事実。
  こちらの事情などもちろん通用はしない。

行きは同行者の方がいたのだが、帰りは一人だった。
英語そして日本語は通じ何ら問題はなかった。
しかし、酒飲みは連夜だったせいか精神的、肉体的には少々堪えた模様。
しかしながらこれからも休みなしの日々は続く。
疲れている暇などない。

現地では通訳の方と一緒。
通訳とは書いてもソウル中心地の高層ビルにある立派な会社の方2名。
日本での留学経験があり日本語ペラペラ。

しかし、同行者の方は言葉は分からなくても雰囲気で分かってたようだ。
この方世界を飛び回っている凄い方。
休日などないらしい。

最早韓国は日本以上に金持ちの国との印象はぬぐえないのだが。
それは私の首に問題があるがための印象であろうか。

人見知りがない。
短気。車運転時もしょちゅうクラクションを鳴らす。

生まれて初めての隣国仕事での訪問の印象でした。
書き忘れた内容については又。

疑問点等あればお気軽にお尋ね下さい。




それでは又です。
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読破。
「樅の木は残った 下」山本周五郎著。
名作ですばい。

読破中。
「天と地と 上」海音寺潮五郎。



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2007.1.21by 博多の森と山ちゃん




 

2007年01月08日

1月8日 共生。


「もうこんな時間か。」
ふと壁に掛けてある時計を見上げ大きく背伸びをする。




「それにしても静かだ。」
昨日までは現場工事で体を動かしせわしない新年の始まりだったと言えるだろう。
我が九州は福岡、博多の町工場の職人は本日の国民の祝日は休み。
私只一人事務所で図面描きに耽っていた。

喧騒な騒音は今までの所、耳には聞こえない。
耳に入るのはストーブに載せてあるやかんの水が沸騰し、その蒸気の勢いで
やかんの蓋を僅かながら揺り動かすその振動音くらいだ。

我が核家族は、新年早々我が嫁様の実家へ嫁様そして我が息子を送った以来
私一人の生活が続いている。
俗に言う「独身貴族」を十二分に味わっていると言える。
しかしながら、自宅にいる時間など日中の仕事時間と比較すると極僅かな時間だ。
外食し帰宅。風呂掃除を行い風呂に入ると後は寝るだけ。
新聞を読む。そして就寝時刻前の読書。
テレビのスイッチは全く入れない。
喧騒から離れ、無駄な音が聞こえてこない静かな時の流れを存分に体で感じ取る。
その静寂な心地を久方ぶりに味わい、人が本来孤独であることを今更ながら噛締める。



私はふと、その静粛な空間で味わいながら読んだ最近の新聞のコラムの記事を思い返す。
1月6日日本経済新聞の夕刊のコラム。
「進化論の新展開」元検事総長 原田明夫氏が書かれた内容だ。

要約する。


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 ダーウィンは「種の起源」で、地球上の生命は生存競争、自然淘汰を通じて最適なものが
生き残った進化論を提唱した。
これが社会進化論者によって、人間社会でも競争に打ち勝った最適者が繁栄することになり、
進化論に裏打ちされた遺伝的資質によることが大きいかのような議論が展開された。
ところが近年の進化論の新しい展開の中で「人は競争するが、協働もする。
倒れた他者に対して助けようとするのは何故か」と言う観点から論争が起こりいくつかの
仮説が提起された。
これらの仮説に共通する点は社会的相互交流の効果に根拠を置くこと。
初期の猿人類は強い雄が全てを支配する非妥協的群れを形成するが、
進化した猿人類は何世代に渉って穏やかな共生を維持。
狩猟採集の営みを始めた人類は、他の集団とも親密な関係そして協力し合う集団形成に
成功したことが注目されている。


最後に原田氏の結論です。


地球上の長い歴史において、人類が進化の頂点に立ち得たのは多様性を認めつつ
共生する手段を発見したからではないだろうか。
利害の対立を超え、生き残った個人、集団そして国家は、強いだけでなく他を思いやる
ことができるものだった、と見果てぬ夢を想う。


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やはり見果てぬ夢なのであろうか。

競争と共生の両立とは現存しないのであろうか。
昨今の社会情勢、国家間の骨肉の争い等を慮るとやはり共生と言う言葉はやはり死語に
近いのであろうか。
どんなに嘆こうと、どんなに愚痴を飛ばそうと、どんなに非難、中傷を行おうと
私自身はこの地球で生きていかねばならない。
これら他をけなすことが、自分こそが唯一の人物と憚る思い上がりから発しているのであれば
そここそが間違いでありその行為こそが断固として消し去るべき糾弾な行動であろう。
共生しながら競争する。
これに始まる行動とは如何なるものであろう。
そして競争のみが生きて行く手段だとの思いが既に脳そして体全身を冒しているのであれば。

やはり見果てぬ夢なのであろうか。



------------



つい先程一つの案件の図面を描き終えた。
安堵する心地を味わうのもつかの間の時間のみで、既に次なる図面化への構想が
頭をよぎる。
次なる案件も早急に図面化の要請がある。
常に付き纏う納期。そして期限。

しかしながら、本日は嫁様そして息子を我が嫁様の実家へ迎えに行く約束をしているのだ。
その時刻までは猶予ままならない。
早急に仕事を片付け車を走らせねばならぬ。
指定された時刻に遅れでもすれば、途端に我が嫁様から激しい雷を落とされるのは
容易に想像が可能だ。

やはり我が核家族では。
家族皆揃った上での静かの時の流れを楽しむ事は。


見果てぬ夢なのであろうか。




それでは又です。




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読破。
「樅の木は残った 中」山本周五郎著。

読破中。
「樅の木は残った 下」山本周五郎著。
いよいよ静かな空間は破られそうです。



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2007.1.8by 博多の森と山ちゃん



2007年01月07日

1月7日 当たり前の職人の腕


本日は長い正月休暇後の本年度初の国民の休日である日曜日。
もちろん我が九州は福岡、博多の町工場は仕事。それも現場工事。

その工事の内容の一部を動画で公開ですばい。








明日ももちろん仕事。
それでは又です。


2007年01月06日

1月6日 あの坂は登れるのか。


やはり天気予報は当たった。
予想が外れる事を期待したのだが。。。。





今日作業を行う現場は雨だけは何とか防げる。
しかしながら、横風はまともに体を襲う。
吹き抜ける冷たい風は容赦なく作業を行う職人を吹き飛ばすが如くに力強い。

力を振り絞りコンクリートの柱へハンマードリルでアンカーの穴を掘る。
「このコンクリートかなり硬いぜ。」
全身の重量をドリルへ掛けるため、体全体が穴を空けるドリルの振動と共に震えながら呟く。
「なかなか開かんばい。」
何度もドリルを前後に動かしながら渾身の力で掘り続ける。

「ふ~っ。やっと一つ掘れたばい。」
その言葉を吐いた瞬間、隣でその様子を見つめていた職人は身を乗り出しながら話しかけた。
「変わろうか。」
その言葉が終わる頃には、ハンマードリルを溜息をついている職人の手から奪っていた。
早速、コンクリートの柱にドリルのキリを立てドリルの回転スイッチを右手の指で押さえ
掘り始める。
掘り初めからなかなかドリルのキリは先へ進まない。
「確かに硬いばい。」
この職人も体全身の重量をそのドリルへ載せ、必死に回転しているドリルのキリを前進させる。
それでもほんの僅かずつでしか掘り進まない。
ドリルを前進させては後退。前へ進めては後ろに下げる。
その動作を何度も繰り返す。
ハンマードリルの振動が容赦なく体全身を襲う。
その振動のせいだろうか。
次第に腕の感覚がおかしくなっていくのを感じる。
両腕の神経が高ぶりその感覚はまるで麻痺していくようだ。
次第に、手そして腕の感覚がなくなりまるで他人の手を利用して必死に穴を開けているようだ。
それでもその職人はあらんばかりの力を降り注ぎ必死にハンマードリルを動作させる。

「もう少しだ。」
既に寒さは感じていない。
横殴りの風はその職人にとっては既に涼しく心地よく感じる。
必死の形相で振り絞った力を出し切りようやく一つの穴が掘れた。
「ふう~。」
思わず一呼吸を置く。

「今度は俺がするばい。」
その言葉が耳に聞こえてくる頃には既に手許にハンマードリルは先程の職人の手に渡っていた。
すかさずコンクリートの柱から穴を開ける音が耳元に伝わる。
感覚が麻痺していた両腕が次第に自分自身のものだと明確になり始める。
それと共につい先程まで涼しく感じていた冬の横風がひとしをの冷たさで体を包み始めた。
「やっぱり今日は寒かばい。」
そう一人心地で呟く。
体を襲っている寒中の風の冷たさはさらに全身の体温を奪っていく。
ハンマードリルのけたたましい騒音が止むと途端に、その職人の手は掘り終わった職人の手より
ハンマードリルを奪い返す。

その職人はハンマードリルを前後にやりながら独り言を呟いていた。
「はよ終わらせないかんな。夕方から雪が降るという予報やったな。」
しかし、先程の職人は聞いていたのだろうか。
静かに答えるように語った。
「今日は。はよ終わらせな明日は別の現場ばい。」
「しかし、もし雪が積もったらあの坂は登れるやろうか。」
語り終わると次なる順番を体を既に横風の寒さに震えながら待っていた。




それでは又です。




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読破中。
「樅の木は残った 中」山本周五郎著。
静かな小説です。


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2007.1.6by 博多の森と山ちゃん



2007年01月05日

1月5日 2007年度。お陰さまで本日より業務開始できました。


新年度。2007年。平成19年。
お陰さまで本日1月5日より九州は福岡、博多の町工場も本日より業務開始
できました。
昨年同様に本年度も何卒懇ろにお願い致します。

さて、新年度の仕事を取り始めた本日。
やはり素晴らしい門出を飾ることができた。
それは一本の電話のベルだった。





「ツルルルル~。」
電話が高鳴る。
私はすかさず受話器を手にしそして左耳に当てた。
さすがいつも幸運である私である。
その内容に新年早々電話どころか我が心もけたたましく高鳴った。

「コンベアから大きな異音が。すぐ来てくれんかいな。」
とのお客様の声。
「はい。」
との二つ返事で私は指示された時刻に現地へと向かったのだ。

私は現地で即座にその状況を把握しそして今後の対応について相談した。
そして準備でき次第再度訪問の上修理する事で納得していただく。

それにしてもたいへん幸先の良い出来事であった。
お陰さまで素晴らしい新年度を迎えることができた。
しかしである。
私の心は今だ高鳴っているのは気のせいであろうか。




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話題を変える。
少々本年度の動作目標などを記しておきたい。
気の向くまま、徒然なるままに記す。
ご批判、ご非難、ご質問等はお気軽に。
但し、その回答については気の向くまま、徒然なるままですばい。

1.更なるこの世にないものづくりへの挑戦。
 この世の商売の大きな価値である会社ブランドの全くない零細企業である我が町工場。
 先ずは他社の良いところを模倣する。
 しかし、それだけでは当然電話帳から会社名は消え去る。
 ものづくり真髄はこの世にないのものを創造することにあるのは至極最もな事項だ。
 失敗の連続であるのは間違いない。
 しかし、果敢にこの世にないものづくりに挑戦するのは当たり前である。
 これには当然覚悟と言う大きな苦労を背負う。
 だからこそものづくりだ。

2.出会う。
 この「出会う」と言う文字そのものがたいへん大きな意味を持つ。
 出会いとはこちらから出掛けるからこそ出会いである。
 待って人と会うことは「出会い」とは言わない。

3.聞き上手。
 会話の名人とは聞き上手な人物であるのは誰しもが認めるところ。
 しかしながら、その行為を貫徹するのは大層苦労がいる。
 人は相手の人物の話の内容以上に、仕草、動作、印象を体で感じ会得しているものだ。
 それに必要な質問力。結論は相手に言わせる。
 聞き上手であるべく、話を聞く態度。動作。仕草がいかなるものであるかを四六時中気にする。
 根底に身を美しくする躾と言う存在が何かしら寄与するとの私見を大切にしたい。

4.習慣を変える。
 日頃人の行動は殆ど習慣に支配されている。
 常にその習慣が如何なるものであるかを頭にいれ、変えるべくは変える。

5.変幻自在。
 私の最も嫌う内容に頑固そして固執がある。
 それは自己保身の為に使用している態度である場合だ。
 周りから変だと意見されているのであればそれこそが貫徹すべき内容であるし
 そしてそれこそが頑固であるべし。
 しかし、如何なる場合であっても広く情報を求め、間違いであれば自由無碍に変化させる。
 固執することは実のところ自分自身を変化させる事への怠慢だ。

6.テレビを見ない。
 テレビで映し出される内容は人間の創造性を破壊する。
 テレビの画面は何もか写し出すため考える脳を停止させるのに絶大なる効果がある。
 現状私は殆どテレビは見ないが、我が息子が見ているといつの間にか画面の前に
 座っている現状がある。
 但し、朝のNHKニュースは許して欲しい。

7.読書。
 書くまでもない。
 分野に限らずひたすら耽る。
 目に入る活字のみで様々な光景が浮かび上がる。
 目の前には何ら画像がなくてもそこには人が動きそして川が流れている。
 目標冊数などない。
 僅かな空いた時間も本を手に取る。

8.体を動かす。行動する。
 結果あるのみ。
 怠慢が肥満を生む。
 暇とは行動を打ち切る最大悪。

9.人間。
 人ではない。人間だ。
 人と人が交わる。だから人と人とに間がある。
 常に人と交わり刺激を受け取る。

10.苦労を背負う。
 つかの間のほんの僅かな喜びを手にするため日頃ひたすら苦労を重ねる。
 
 
 以上10点。
 果たして私にどれほどの力があろうか。 
 果たして。。。




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早々の賀状有難う御座いました。
何らかの返事はさせて頂きます。

旧年中はお世話になり有難う御座いました。
本年度もどうぞ宜しくお願い致します。




それでは又です。




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読破。
「邂逅の森」熊谷達也著。
またぎを通して日本の美しい風景を目の前に映し出させる。
堂々とした男らしい小説。

「秘密」東野圭吾著。
さすがです。ベストセラー作家。
視点が良い。

「たそがれ清兵衛」藤沢周平著。
題名に釣られて読んだが私は長編を好む。

「樅の木は残った 上」山本周五郎著。
私はこの作家。
至極好きなんです。

読破中。
「樅の木は残った 中」山本周五郎著。



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