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2007年02月20日

2月20日 果たして、過酷なのか。


他人のことを嘆くくらいなら自分自身を責めるべきであろう。
不平不満で嘆息するのであれば、それは自分自身の恥を世間に晒しているに
過ぎないはずだ。


又しても我が町工場の一人の若者が出勤しなくなった。
慌しさと忙しさが同居している昨今、人が一人でもいなくなることは多大なる影響がある。

それは他の職人への負担を大きくするのものであり、突然の長きに渉る無断欠勤は
少数での人員での町工場にとって経営の要の一部を損じると諳んじても過言ではない。

それほど多忙でない時期には、誰かしもが休まない。
むしろ暇な時期ほど進んで出勤する。
その心地は十二分に理解ができる。
誰しもが楽をしたいのは当たり前であり書くまでもない。

ところがである。
確かに今回の多忙さは極めている要素はある。
連日残業が続き、私個人は正月休暇以来碌に休んではいない。

当然ながら忙しければ個人個人の仕事量は増加するのであり、疲労も増す。
疲れるしそしてだるくもなる。
当然であるし、そういう時期があるのは町工場でなくても当たり前の光景ではなかろうか。

我が町工場ももちろん3K職場だ。
きつい、汚い、危険。
きちんと3拍子が揃っている。

しかしながら、若者に対するベテラン職人の若者に対する指導には人一倍気を使っている。
決して怒鳴る事はない。
過去の苦い経験がその結果を生んでいる。

今まで何人もの若者が我が町工場を去った。
それら若者はいずれもいつの間にか音信不通となり、二度と顔を見せなくなる。
その度に職人は考え悩み自分の指導方法ヘの訂正を加える。
様々な方法で試すがどうしても若者は我が町工場より去って行く。

今回もそうだ。
慌しく、そして自分の能力を精一杯出すべくこの時期に姿を現さなくなる。
一人のまだ20歳そこそこの若人がついぞ我が町工場より消えた。

間もなく70歳に近づこうとしている我が親父は今だ工場で張り切っている。
親父にしてみれば孫に近い年齢の者がいなくなったということになる。

確かにきついだろう。
連日の残業だ。

疲れるきつい行動など誰しもがやりたくないはずだ。
それは十二分に理解できる。
しかしながら自分以外の周りに人物は誰しもがそのきつい決して楽ではない仕事を
こなしている。
そして、それも年を重ねた体力的には自分自身よりかなり劣っているはずの先輩が
疲れきった体を押してさらに体力を使いきろうとしているのだ。

はからずしもこの程度の文章を書き刻んでいる私だ。
それは少しも若者の心を掴んでいないのであろう。
自分自身を恥じ、そして更なる対応を考慮すべきであろう。

そして、又しても我が親父は早々にハローワークへ求人を願い出る。

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それは起こるべくして起きたのか。
その原因は一体どこにあったのか。

確かに人員が一人減った負担はその周りの人物に当然ながら降りかかる。
それも会社自体が切羽詰った状況での忙しさ。
その負担を更なる精神力そして体力でこなさねばならない。

それは無断欠勤の若人に見切りをつけ求人を願い出た当日だ。

我が町工場で座り込み片足を抱え呻いている一人の若き職人がいた。
我が親父はそのただならぬその様相に気がつきそして近づいた。

「おいっ。どうしたとや。」

既に右足の安全靴は足から放たれ、両手で抱えた足の靴下に少しばかり血が滲んでいる。
「おいっ。」と親父は再度言葉をかける。
若き職人は額には汗を滲ませ何とか言葉を吐いた。
「足の上にこれが。」

その若き職人の視線が移った先を見ると大きな鉄の部品がころがっている。

この重く大きな鉄の塊が足へと直撃し当然ながらその右足が途端に悲鳴を上げたのだ。
足の先端は安全靴で守られるのであるが、先端より足首に近づくにつれその
安全靴は本来の機能を果たさなくなる。
その安全性が満たされない足首に近い部分にその重しは伸し掛かってきたらしいのだ。

親父は早々に事務所にいる営業マンを呼び出し、会社の近所の外科へと車で
連れて行くよう指示を出す。

既に片脚は機能を果たさず、その足を引きずりながら歩く姿はそれこそ痛々しい。


この光景は決して経験などしたくはない。
しかしながら、忙しく慌しくなると怪我が付き纏う。
疲れから思考回路は鈍りそしていずれは自分の体が脳細胞からの指令をまともに
受けなくなってしまう。
職人の肉体活動においては特に休養は必要だ。
そして今回の連日の残業の中でもきちんと休みは取らせてはいた。

そこにはやはり焦りが追加されたのであろうか。
人員は決して余るほどいるはずもなくそして補充しようと行動した矢先であったのだが。


幸い骨には異常なく、大きな怪我そして事故ではなかった。
現場工事は無理としても工場での労働は何ら問題ないとの外科医の先生の応答だった。

それでも精神的ダメージはあるはずだ。
いや一瞬でも肉体的苦痛は追加されたのであるから、疲労はさらに重なったはずだ。

今日は帰宅して安静にするように指示を出す。
それは当然の行為であり更なる労働に費やす日々を慮れば誰しもがそうするであろう。


誰しも事務所の人間はその若き職人は我が町工場より姿を消し、そして早々に帰宅したと
思っていた。
いや、誰しもがそう判断するのは当然であるはずだったのであるが。


しばらくして、我が親父は今回の騒ぎが静まり落ち着いた後、再度工場へ向かう。

しかし、たちまち即座に事務所への階段を駆け上がり、事務所の扉を思い切り開けた。
開けた途端早々にまくし立てる。

「あいつ。溶接しよったぜ。怪我の足はスリッパのままで。」

その表情には安堵感が浮かび上がっていた。

私もその様子はしっかりとまぶたに焼け付けた。
それは見る者によってどう思うか又どう判断するかは様々であろう。

その本人も若き職人だ。
いつ間にか姿が見えなくなった人物も若き職人だ。
決して比較などはしたくはない。
しかし否応なしのそうしたくなるのはやはりその人物よく見知っているからなのであろうか。


そしてその姿を過酷と思うのか。
痛々しいと思うのか。
それとも健気と思うのか。

人それぞれであろう。
周りの人物にとって見た目ではいかようにも判断が可能だ。

本心はその本人に尋ねるしかない。

皆さんも是非その様子を眺めて頂く為若き職人の写真を掲載した。
それは何人にとっても余計なお世話だとは理解しているのではあるが。












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それでは又です。



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読破中
「君の名残 下 」浅倉卓弥著
いつの日かゆったりと読書の時間を。
いつの日か。



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