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2007年07月16日

7月16日 朱に交われば。。。



まさか俺にもそんな事が降りかかってくるとは。
まさしく自分自身へとその行為は向けられている。
果たして全く予想できなかったことであるかと言うと。
全くの否定はできない。風の噂というか何故かしら雰囲気で身近には感じてはいたのだが。





確かに噂では聞いてはいた。
自分自身でも何かしら感じさせる出来事をまさしく目の辺りにしたことが過去ある。
決して本人の口から聞いたわけではなく又聞くことなどできるはずもない。
しかしながら周りの皆は周知の事実のごとく訝しく不審な目つきで会話している。
それは決して法治国家である日本国の法律をないがしろにしている行為ではない。
法律の範囲内である限りその行為は誰もとがめることはできない。
だがその行動は民間企業であるから法律範囲内であり、公共の人物がもし行ったとすれば
当然ながら後ろに手が回る。
悪事千里を走るというが、既に会社の人間の殆どがその行為をさぞかし自分自身の目で明確に
確認したかの如くに口角泡飛ばす。

あくまでも噂である限り事実とは言えない。
しかし、噂、特に悪い噂は恐ろしくあっという間に広がる。
又それを面白がり内容は膨らみあたかも自分の目で見たかの如く言いふらす。

確かにその人物のその一挙手一投足にはどこかしら怪しげな感触はしていた。
先ず見積りのやり方が異なる。
一方の企業へは細かく明細を提示するように要求するのだが、もう一社へは専門分野以外まで
見積りをさせ大きな金額になろうともそれほど詳細な個別金額は求めない。
実際の現地での仕事のやらせ方もどこかしらおかしい。
一方の企業へは些細な点でも指摘しそして叱責するのだが、もう一社へは大概(たいがい)
失敗をしてもそれほど指摘せず怒らない。
決して両方の会社での技術力に差は殆どないはずだが、2社への対応は異なる。
実際俺はその場にいて思うのだから他の連中が見ても多分同じ思いがするはずだ。

俺は周りの人間へは決して話してはいない。
俺の上司に当たる人物の話など誰にもできるはずもない。
もし俺が話したとばれでもすれば俺の会社の地位、立場がどうなるか分かったものではない。
例え他から聞こえてきた噂だとしても上司に関するないようであればただ頷くだけだ。
決して俺の口から何も発しないしひたすら無口になるだけだ。

これはこの会社の伝統だと嘯く(うそぶく)輩もいる。
代々偉くなった者はいずれその立場を利用しそれに満足するようになる。
そのために出世しそして社会的に偉くなるのだと当然の如く言い張る。

しかしだ。ものづくりだけを考えると常に叱責される会社はそれにできる限り対応しようとする。
指摘されるたびに手直しを繰り返しいずれ満足したものが完成する。
決して愚痴ひとつこぼさず完成にこぎつける。(陰では何を言っているかは分からないが。)
いずれその会社の技術力は一段とたくましいものになるとも思える。
可愛そうな気もするが俺には決裁する力などあるはずもなく、又上司にはむかうことすらできない。
俺はサラリーマンだ。給料をもらい家族を養わねばならない。
なるべく上司とはつつがなく表面上だけでも仲良くやっていきたい。

ある意味偏見とも言えるがどこの会社でもある行為だろうか。
確かに出入りする業者は様々だ。
しかしながら上司が決定している内容にはどこかしら訝しく思わざる点が数多くある。
指摘できるはずもないがこれからもこれでよいのだろうか。
業者にしてみれば法律を犯しているわけでなく立派な営業行為と言える。
すなわちその営業活動により注文を取りそしてものづくりを行う。納品しそしてお金をもらう。
商売活動として何ら蔑すまれる行動は全くないのであろう。
だが俺は腑に落ちない。汚くも思える。もしかすると業者へ要求しているのかも知れない。

上司の不自然に思える行為が伝統だとすれば俺がもし出世すれば分かるはずだ。
俺が業者選定の決定ができるようになればはっきりとこの目で確かめることができるだろう。
誰もが通った道なら俺にもそれは降りかかってくるの違いない。




歳月が経ち俺の上司は出世した。
但し、今までの部署からは外れた。他の部署での出世であり栄転だ。

その上司の後釜には俺が付くことになる。俺も喜ばしいことに出世ということになる。

そしてその出世は二重の喜びとなった。

あの業者の社長が挨拶にきた。今までの上司が懇意にしていた会社だ。
早速祝いに飲みに連れて行ってくれるという。
俺は見知った顔でもあるし無碍にはできなかった。

ほんの1次会で帰るつもりだった。しかし、あまりのしつこさに2次会そして3次会と
ついつい足を運んでしまう。
お金は払う気でいた。しっかりと財布には札束を忍び込ませていた。
しかし、俺が払おうとする前に既に勘定は済んでおり、社長も一切お金を受け取ってくれなかった。

一切今回はお金を払っていないのだから悪い気はしなかった。
そればかりか社長の接待費で落ちるからとの言葉に安心すらしている。
個人のお金ではないのだから良いのだろうと自分は既に納得していた。

乗り込んだ俺を見えなくなるまで見送ってくれたようだ。
タクシーの運チャンがバックミラーを見ながらそう話していた。
俺は呼んでもらったタクシーに乗り込みほろ酔い気分でよい心地だった。

何故かしら気兼ねし、深酒はしなかった。
やはり業者の社長と飲むのだから考えながら酒を体に入れたはずだ。
しかし、決して悪い気分ではなかった。
結構豪華な料理においしい酒。実のところあまり経験がない。
あんな良い店など数える程しか過去行ったことがない。

何気なくポケットに手を入れる。背広の上着のポケットに。
ふと気づく。ポケットに何か入っているのを。
俺はそれを取り出し目の前にやる。
それは封筒だった。俺には身の覚えがない初めて見かける封筒だった。
一体誰が入れたのだろう。不審に思いながらもそそくさと糊付けされたその封筒を破く。
その中身は。。。




何とたくさんの札束が入っていた。




俺もいよいよ出世したと実感する。。。




それでは又です。


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読破中。
「静かな大地」池澤夏樹著


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2007.7.16by 博多の森と山ちゃん