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12月10日 長尺スパイラル旋盤切削。いよいよベテラン職人が仕上げを。。。



肉盛溶接、旋盤切削加工を何度か繰り返し最後は硬質メッキされる段取りだ。
うら若き職人の旋盤荒削りの次はベテラン職人による仕上げ切削。
仕上げも若き職人の手で行えるのはいつになるのか。



















あいつがようやく経営計画なるものに関心を深めるまでには長き渡る期日が必要だった。
ビジネス書と言われる種類の書籍にはあまり手をつけず専ら小説の濫読であった。
しかし、目で読む読書ではなく耳によるCDによる耳学だけは何故かしら義務感を抱き
上の空ではあるにしても何回も繰り返しその音波を耳には入れていた。
恥ずかしながらここ最近ようやくである。
全てが自分の責任であり一切他に求めることは間違いだと気づいたのだ。
苦労、苦心こそが最大限の武器でありそして努力以外に自分自身が世間での
一人前だと言われる人物になるための手段はないという事に。
あいつは凡人以下であり会社も弱者以前の番外弱者だ。
それに対するあいつの行為はやはり長時間労働そして勉学以外にあり得ない。
だが、その行為が完全に腑に落ちているかと言うと今だに疑問符がつく。
だからこそ自分自身を縛りつけそして自分その者をその環境へ同化させねばならない。
先ずは塊より始めよ。言い古されたありがたい言葉だ。
その根底にある情熱そして願望。満ち続けることこそが事の始まりのはずだ。




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「お宅の製品が対応できないのなら当初から無理と言うことになるではないか。」
引き締まった顔筋に正確にはめ込まれたつぶらな瞳で相手を見つめながら
その愛くるしい口元から可愛い声で女性専務は言い放つ。
「しかし、これだけ出来るのは他社にはない。如何なる技術なのか。」

専務の正面に座ったスカートからはみ出した端正な足元からスタイルは抜群だと
即座に分かる。その上美形な顔から放たれる一言一言の声に世の男性は皆惚れ惚れ
するに違いない。
その製品の会社の担当者ははっきりと答える。
「先端に何ら回路を設けていません。全てアンプに機能を持たせるためその動作が
可能なのです。他社の製品は今だ機能を先端に求めるため弊社に追いつけないのです。」

艶やかな美しい女性専務は尋ねる。
「最近又新製品を出されたがそれだけ要望が多かったのか。」
絶世の美女とも言えるその担当者は答える。
「中間製品がなかったのです。あまりの要望の多さに出さざるを得ませんでした。」

「しかし、導入当初からこれではな~。全く機能どころか製品の価値が見出せない。」
確かにこれだけ対応できる製品は他にはない。それは分かる。
だが、一旦足を踏み出している以上何らかの対策は考えなければならない。」
上品な声筋は相手へと伝わる。
「前もって説明はしたはずです。もしかすると難しいとは私の口から説明しました。」
美人は可愛らしく気色ばむ。
「しかし、いくら前もってその困難さは説明していても一旦設置すると相手先は
決して納得してくれない。いや分かっていても決して容赦しない。
他にはない困難伴う新規の製品としても全て責任はこちら側にあるとばかりに
責め立てられる。悲しいかな。それが今現在の紛れもない事実だ。
お金が絡むからなおさらだ。」
自分自身も納得できるため女性担当者は答えようがない。
女性専務は言葉を継ぐ。
「お宅で今回のような不具合は聞いていないのか。あるいは新しく改良した製品を
出してくれとの要望が既に出されているのではないのか。」
担当者は即座に答える。
「この不具合を解決するためには2点の特徴を同時に出さねばなりません。
それの両者の方向性は相矛盾したものです。
先端に回路を設けないという意味合いが崩れてしまいます。
今現時点での技術では難しいでしょう。」
尋ねる。
「でもお宅は常にその困難を解決する事により大きくなった会社だ。
将来的にでも良いから大丈夫という言葉を聞きたいのだが。」
答える。
「確かに弊社は常に相手先の要望を解決するものづくりを続けてきました。
そのお陰でこれだけの会社になれたのは事実です。
しかし、今の段階ではこの不具合を一気に解決できる製品の開発はおいそれとは
出来ないと思われます。」
尋ねる。
「それではお宅の部品を採用する行為自体が当社から間違っていた事になる。
これで諦めれば今まで掛けたうちの莫大な費用は全て入ってこない。
それにもうまくいく前提で相手先は次も既に検討中だ。
確かに部品提供のみでお宅は出来ないと回答すれば良いかも知れない。
しかし、それでは今回の事は納まるどころかうちは木っ端微塵に砕けてしまう。
何とか対策をお宅の社内で検討して欲しい。今となってはあんたに手を合わせるしかない。」
答える。
「おっしゃる内容はよく分かります。先ずは弊社研究班へ事情をよく説明します。
そして先ずはその原因を探らせて下さい。社内へ持ち帰りその結果は
至急連絡します。」
尋ねる。
「多分良い回答は出ないと思われるけど。出来るだけの対応はしたい。
実のところここうちは最近新製品を出す度にトラブル続きなんだ。
何でも挑戦するのはお宅と一緒なんだが。これだけ続くと気がめいる。
それにお宅は規模が大きい会社だけに言うことが世間では通りやすい。」
答える。
「そんなことはありません。弊社でもトラブルはつきものです。
具体的内容は会社の大きな看板を背負っているだけに何も言えませんが。」
うら若き可愛らしい担当者は微笑んだ。頬の薄赤色が愛くるしい。
その表情を眺めながら艶やかな女性専務は尋ねる。
「やはり相手先には一緒に行くことになるだろう。それでもいいか。」
「もちろんです。出来る限りのことはします。」
女性専務はこの言葉を聞き少しは気が和らいだのは事実だ。

確かに会社の経営とは長い目で見なければならないだろう。
常に新しいことに挑戦し実行しないことには零細な町工場はつぶれる。
小さな町工場が今だかつて経験したことがない困難なものづくりには不具合が付き纏う。
それは挑戦の代償なのか。それとも訪れるであろう輝く未来の道筋であるのか。


質素で仕草が上品でとても落ち着いた女性専務は呟いた。


「会社経営とはこんなにも苦しいものだとは思いもしなかった。
そしてこの苦しみはこれからも続くんだろうな。」と。。。




それでは又です。


読破中。
「巨人たちの星」ジェイムス・P・ホーガン著


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 綺麗で可憐な女性専務は質素だけが取り柄なのですブログあるはず。
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2007.12.10by 博多の森と山ちゃん



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