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2008年06月09日

6月9日 手強い材質ステンレス角丸シュートの製作。そしてまさか(6)。。。



この角丸シュートは少々手間暇掛っています。



















あいつははやる気持ちを抑えつつ彼の待つ工場へと急ぐ。
嬉しかった。彼からの電話が。待ち焦がれていた。彼からの電話を。

あいつは到着し彼の顔が視界に現れた途端何故か胸にこみ上げるものがあった。
しかしあいつは必死に冷静を装う。あいつを襲う熱い胸の詰まりに懸命に耐える。
正直なのはあいつの笑顔でありそして赤らんだ顔色だった。
彼が気づいているかどうかは分からないがいつもの微笑んだ表情は何ら変化がない。
あくまでも仕事をやっているのだ。あいつに今必要なのは理性だけだった。

彼はあいつを呼び出した理由を話し出した。
それはもちろん彼の会社より依頼した新規の乾燥、炭化装置についてだ。
彼は何度も決してこの話は社外秘だと釘を打った。決して他には漏れないようにと
真剣な眼差しで同意を求める。
サラリーマンそして会社での立場上話せる内容であるが、この内容が社内で知れ渡ると
自分自身の社内で立場がどうなるか分からないと深刻な表情で語る。
あいつはただ頷きそこまでして何故話してくれるかはどうしても質問出来なかった。
わざわざ彼があいつに社内の事情を語るかは若かりしころの二人だけの甘酸っぱい
思い出のせいかと脳裏をかすめる。

しかしながら彼が語った内容は実のところある程度は予想はできていた。
常に心の準備をしておりさほど驚くべき事実ではなかったが必死に語る彼に対しては
出来るだけ大袈裟な表情と仕草に努める。
その行動は彼に対する精一杯の感謝であるのだが。

その内容は今回の提案内容はあまり詳細に技術情報を提供しないようにとのことだ。
時間を割き貴重な内容を提案すればするほど落胆の度合いが大きいのが目に見えている。
既に選定される業者は決まっており情報は全てその業者へ流れる。

決定権者である彼の上司はその業者に首根っこを掴まれており夜の接待は当たり前で
ゴルフそして金まで渡してているという噂だ。
最近その業者は転勤して来たばかりの彼まで誘っているという。
今のところ何かと理由をつけ断ってはいる。
しかし、今後上司同伴となれば無碍に断ることはできなくなるだろう。
彼も会社の一員でしかすぎない。上司の命令となればいずれ従わざるを得ない。
官公庁ではないのだから何ら法律に触れることはない。
既に業者からではなく上司から誘う場合もあるらしい。

そうなるとどうしてもその業者から買わなければならない。
業者との癒着が見つかればもちろんその席からは外れることにはなる。
しかし、その上司だけでなく長年続いてきている。
確かに社長は毎年業者との癒着は反対しているんだが。目が届くはずもないしな。

そりゃあ。他の業者からも買う。しかし、それは社内的にばれないがための隠れ蓑に
過ぎない。
実際は隠れ蓑の内容は既に社内では周知の事実だが誰しもが自分が可愛い。
自分の今の立場を守りたい。
誰しもが黙っているのは一会社員であれは当然の行為なはずだ。
いやそうしなければ立派なサラリーマンではない。

あいつは初めて聞いたかのように驚いた表情を重ねそして頷く。
その行為も又一社会人として当然の行為であろうか。
あいつはいつしか自分自身に疑問を持ち始める。
やはり目の前にしているのはあくまでも一社会人と応対しているのであり
決して一個人としてつまり一男性として話を聞いているのだろうか。

だがこの真剣な表情は決してあの頃とは変わりがないとあいつはつい見つめる。
彼は一体私のことをどう思いそしてどう感じているのだろう。
一体どういう心境がその真剣なまなざしの奥に秘められているのだろう。
あいつ長い間彼から放たれる彼自身を精一杯受け止めていた。


突然彼は思わぬ言葉を発する。


えっ。まだ続けるつもりですか。




それでは又です。


読破。
「黄昏のベルリン」連城三紀彦著
壮大な内容ではあるが私にとってはあまり。。。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著


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 乾燥機にヒートパイプ利用はできないものかブログあるはず。
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2008.6.9by 博多の森と山ちゃん