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6月5日 寒心。。。



決して脳裏を去らない。
不安と心配が心を締め付ける。
如何なる心境、立場、境遇であろうと常に時は流れる。
時は平等でありそれに格差はない。
時間とは使おうが使われようが流れるものであり止めることは不可能だ。
誰しもがいずれは本日と言う日にちを迎えるのであり、決して拒む事などできるはずもない。





いよいよ今日と言う一日を迎える。
寝付けなかった。全くと言っても良いほど眠った心地がしない。
布団には入ったのだがいらぬことをあれこれと考えてしまう。
居直ってしまい諦めの心境にまで至ることができればそれは単なるある
出来事でしかないはずだ。
やはり自分たるものは「今だ木鶏にはなれず」と言う人物でしかない。
決して表面には出さぬとも慌てふためき小さなかすかな震えは止まらない。
即座にどこかへ消え去り、見知らぬ土地まで逃げ出したい。
できるはずもない。
それこそが今現在ここで生きている証でありその姿が自分自身なのだ。

十二分に理解しているつもりだ。
今現在が如何なる立場であり如何なる境遇であり如何なる人間であることを。
だがつい、あらぬ想像をしてしまう。つい、よからぬ内容が脳裏を駆け巡る。
必死に大丈夫と今だ未熟な自分へと声を掛ける。
もし、あらぬ心配が現実化されたとなるとそれに伴う代償がこれからの人生を左右するのは
容易に頭に浮かぶ。
覚悟は必要であろう。もちろん分かっていたはずだ。
常日頃その覚悟と言う文字は既に私自身を支配しているはずなのだが
実際にその日を迎えるに当たっては何ら力を発揮できない事実に愕然と首を垂れる。
それまでに弱き人物でありそれまでにはかなき力しか蓄えられていない拙い人物だったのだろうか。

寒心を体全身で受け止め青白い顔のまま出勤する。
毎朝恒例のラジオ体操を終えるとそそくさと外出する。
客先では忘れねばならない。顔の表情は存分に笑顔を浮かべそして
底抜けの明るい態度で接する。いや接したつもりだ。
自分自身を変える方法のひとつに外、外面、姿、振る舞いにより変貌するやり方がある。
それにより心の奥底までが変化し更に進展した自分を作り上げる。
深化された心の姿にまで至らなくてもその時点では幾分かの落ち着きは取り戻せた。

事務所に帰り見積、資料作成、図面描きと仕事をこなす。
だが、あの凄まじくそして怒涛の心配と不安の脅威が襲い掛かり、次第に大きくなるばかりで
決して消え去ることは望むべくもない。
仕事はこなさねばならぬ。
その波に決して押しつぶされてはならぬ。
既に今日と言う日を迎えたのであり、結果はいずれにせよしばしの時間経過後には
判明する。
気分を転換させるべく事務所の階段を降り我が九州は福岡、博多の町工場へ足を入れる。
職人のものづくりの魂が存分に注ぎ込まれた部品に手を掛ける。
その部材をわざわざ握りその感触にしばしの間浸る。

今回は当初の予定とは大きく異なった。
結果からすると一応はある範囲までは実際実行していただいたのは間違いがない。
その責任となるとそれは最たる事実と言う目の前に示された事柄のみとなる。
結果のみがその事実でありそこには何ら嘴を挟む余地などあるはずもない。
それがために今だ露にならない事実に尻込みし体全身を多大なる脅威が包む。
寒心が体中を包み込みこのまま気が遠くなり倒れこみそうだ。
それだけ我が零細企業にとって金額が大きいのでありその大きさにたじろぐのである。
金額の大きさの価値判断は千差万別であるのは当然だ。
値段の数字により会社の規模、生業の小さな零細企業はいとも簡単に存続が成り立たなくなる。
入って来るべきものがその時、その瞬間に手許にないのであればそれこそが最たる結果
であり、重大なる深刻たる事態であるのは頷かざるを得ない。

時は常に流れる。
いずれ否応なしにその結果の事実は我が社の中で晒される。
右手に残る鋼材の感触が残ったまま事務所の階段を上る。
椅子に座りパソコン画面に向かう。

ふと我が親父が私に近づく。
そして私に声を掛ける。

私はこの言葉を待ちかねていたのだろうか。
いやこの言葉以外聞く耳を持ってはいない。
この一言によりあらゆる恐怖、恐れ、脅威、心配、不安そして寒心が吹き飛ぶ。

この先このままこの椅子に座り図面が描ける。
我が町工場そして事務所の建物に何ら変化は起きない。
職人も今まで通りものづくりに存分に腕を振るうことができる。
何ら我が会社は変わることなく過去と同じ日常が送れる。




「おいっ。手形が落ちたぞ。」


本日の夜。九州は福岡、博多の町をスキップしている姿を見かけたらその人物は今ブログの
作者に間違いないのは書くまでもない。




それでは又です。




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読破中。
「素粒子と物理法則」R.P.ファインマン、S.ワインバーグ著 小林鉄郎訳

読破中。
「新宿鮫Ⅱ」大沢在昌著



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2007.6.5by 博多の森と山ちゃん




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