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8月13日 時 (6)。。。



あいつが小学校高学年の頃だったであろう。あいつはその事実だけは鮮明に心に刻み込まれ
いくら年月を重ねようと常に脳裏を去ることがない。
体全身で否が応でも叩きこまれ苛まれたその事実は忘却という文字すらを忘れ去る程の
親父の暴力の強烈な衝撃であいつ自身を復讐へと駆り立てた紛れもない過去の実際の
現実の出来事だ。





何かの拍子であいつの片手が親父の額に当たった。それには強さは殆どなく触った程度だ。
しかし親父の表情が一変する。額に当たった僅かな衝撃により今までのにこやかな表情がたちどころに
怒りの形相へと変化する。
その変貌の速さにあいつは逃げることもできない。あいつにめがけて飛びだす親父の大きな平手を
避けることはできなかった。
親父は癇癪を破裂させると即座に両手を次々とあいつへ送り出しあいつの頬をへと強烈な
平手打ちを繰り返す。
決して手加減などせず決して力を弱めようともせず。
まさしく鬼と化した体全身は親父としての威厳をいかんなく発揮させるがごとくに。
幼き子供の小さな手が常に痛みつけるはずの親父である俺に立ち向かった反逆ののろしを
上げたとでも感じたのか。

今だ幼きはずのあいつが決して親父に対しての抵抗の行動を取るはずもない。
常に徹底的に親父の暴力に苛まれているあいつが反抗するための体の成長は今だ
完成はしていない。
ただ当たっただけだ。あいつの片手が親父の額へ触っただけだったはずだ。
しかし、親父は途端にこみ上げた感情を抑える事などできない。
いつも体に押し込め、いつ破裂してもおかしくはない大きな癇癪がはじけそれを
ただ実行しているだけだ。
そこには本来備わっているはずの理性など一切存在せず人間本来の動物である畜生のみ
獣である生身の姿が大いに表面へ噴き出しただけだ。
血が通ったまだ小さなか弱き子供であろうと関係がない。
目の前にある存在が幼き我が子供であろうと親父にとってはそれは自分のその時点での
その時での感情の対象物に過ぎない。

既に獣である親父は我が子であるあいつに自分が持っている力を最大限平手打ちにより
存分に発揮する。その繰り返しはいつまでも続く。
我が子が泣き叫ぼうと。我が子が痛がって体をよけようと。我が子がうずくまろうと。
親父には大いに暴力でたたきのめす相手なのだ。親父にとっては動物と化した
自分の感情をはじけ出すための物に過ぎないのだ。
自分自身が今現在起こしている行動を止める事などできない。
全てを感情に委ね、癇癪の動きに自分自身を任せた行為を自分自身ではどうしようもない。

親父はひたすら両手をあいつに向かい果てしなく繰り出す。
暴力は幼きわが子へと全身の力でふんだんに向かう。
既にそこには自分自身はそこには存在せず人間としての理性を全く失った血走った獣が
か弱き子供に対して襲いかかる。

あいつは親父の次々と繰り出される攻撃にいつしか気を失いかける。
いくら泣き叫ぼうといくらよけようとしても親父の両手は襲いかかりやむ気配すら感じない。
次第に意識が呆然となくなりかけ倒れ込みそうになる。
体全身の叩かれる事による痛みの衝撃があいつの意識を奪う。

止む。いつしか親父の暴力の両手があいつを襲うことを止める。
あいつは叩かれることから解放される。
しかし親父が暴力をふるうことをやめた訳ではなかった。親父が人間の姿に戻った訳ではなかった。
たまたま遊びに来ていた親父の弟、あいつの叔父が羽交い絞めにして止めさせていたのだ。
親父の突然の行動に驚き必死に止めに入っていたのだ。

その頃にはあいつは何も聞こえなかった。
お袋とおじさんが大声で親父を罵倒している声も。
親父も既に獣と化した喚いている大声も。
あいつはただそこに小さな体を一層小さくさせただしくしくと泣いているだけだ。
かすかな意識を頼りに膝を抱えて座りただ痛みをこらえ泣いているだけだ。


あいつはその時の親父の怒りの形相を忘れることない。
到底人間とは思えない感情剥き出しの獣の表情を忘れるはずもない。
あいつはその時の出来事はいつも脳裏をかすめ一生忘れ去ることのない
大きな心の傷となる。



あいつはそれからより一層無口になった。
既に小学生高学年にして親父との会話を嫌がった。
その無口は将来の親と言う肉親への復讐の足掛かりに過ぎない。

あいつはいよいよ行動に出る。今だ小さき子供であるあいつはある行動に出る。。。




えっ。まだ続けるの。誰も読んでないのに。




それでは又です。


読破。
「ビック・ノーウェア 上 下」ジェイムズ・エルロイ著
 纏わりつくような非常に読みにくい文体ではある。
 暗黒小説の代表格であるエルロイの4部作の2作目。さすがに前作をしのぐ力作だ。
 しかし、あの人物が死ぬとは。ではいったい主人公は誰なのか。
 確かに独特の文体で読みづらいが3作目ももちろん読む。


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2008.8.13by 博多の森と山ちゃん



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