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2009年12月30日

12月30日 今年もたいへんお世話になり有難う御座居ました。



今年2009年も明日で終わりです。私は本日で仕事終了です。今年一年大変お世話になりました。
お陰さまで年を越すことができます。本当に有難う御座います。


下記ビデオは火気未使用、木質乾燥機【木材乾くん】の開発成功までの軌跡です。
なお今乾燥機は福岡県森林林業技術センター殿提案・協力 により開発致しました。






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今年は本当にきつかった。一時期どうなることかと思った時期もあった。
だが何とか年は越せそうだ。本当にお世話になり助かりました。有難う御座居ます。

昨年10月に起きたリーマンショックの影響はしばらく弊社にはなかった。
忙しい日々は続き今年3月は開発したばかりの汚泥乾燥機の納期に追われ私だけでなく
工場の職人でさえ休みなしそして夜遅くまでの残業は続いた。
それに他の製品の現場設置工事もあり4月迄瞬く間に日は過ぎた。
ところがだ。5月の連休明けから途端に仕事が止まる。確かに他の会社の情報は入っていたが
まさか弊社まで不況の波が襲って来るとは半信半疑なところもあった。
だが紛れもなくその波は襲いかかり長い間そのままだった。

弊社は一切下請けの仕事はやっていない。
殆ど受注生産品であり客先の要望にあわせ設計し製作そして現地設置の運びとなる。
一品料理の製品を作っているのだがそれでも価格競争はあり、あるいは何とか予算内に
との要望に応じざるを得ない状況は長い間続いていた。
何とか価格競争から離れるために自社製品をして先ずは汚泥乾燥機を作りようやく若干台の
実績は積んでいた。
乾燥機の実験機を借金をしながらも何とか作り送られたサンプルで乾燥テストを行い
それに基づき報告書、見積、図面等を提出しそのまま順調にさらなる実績を重ねることは
できるであろうと高を食っていた。
4月以降も確かに引き合いは多く次々とサンプルは送られ乾燥テストを続けた。
中には乾燥が困難な物もあったが乾燥機に手を加え改良し乾燥が出来る状態にまで
こぎつけた。
だが、忙しいながらも肌では感じていた。
中国の台頭によりいずれ国内製造業は衰退の一歩を辿るであろうと。

次々と乾燥テストをこなし結果を報告する。その案件は次々と舞い込みいずれ決まるであろうと
安心さえいていた。
ところが受注できない。なかなか受注できない。客先へ赴くのだがなかなか色良い返事を頂けない。
いずれも能力は認めて頂くのだが先行きの不安からか中々新規の設備にお金を出されない。
新規の設備投資が一切されないのだ。
新規だけではなく既存の客先はどうかというと何処もたいへんだった。
既設の客先へ訪問するが首切、一時帰休と燦々たるものだ。
新規の受注はできず既存の客先からも新たな案件は望めない。
この状態が続けば我が零細町工場はお陀仏だと考えていたが時が立つに連れ現実味を
帯びてくいる。このままでは一体どうなるのかと夜も眠れない日々が続く。

この製造業不況はいずれやって来るであろうと予想は立てていた。
中国の台頭による国内の空洞化による現地生産の本格化。その動きはいずれ起こり
国内のものづくりは衰退への道を辿るであろうとの思いは持ち続けていた。
ものづくりの製品価格は下がる一方でいくら忙しく受注を抱えていても儲からない。
いくら大企業が好景気でも決して零細町工場が潤うことはなくひたすら安値での
仕事を長い間続けていた。
そのため我が町工場の戦略は他社にはない自社製品を作り差別化を図ること。
そして国内ではいずれ売れなくなるので何とか海外販売の足がかりを作りたいと
考えてはいた。

ところがだ。それは突然起こった。その不況の波に一気に襲われる。
次第に起こると予想した自体が一気に起きた訳だ。
我が町工場も不況の波は一気に寄せもまれることとなった。
だが静観することはできない。ただ景気が良くなるのをただ待っていたのでは潰れる。
いとも簡単に零細町工場はお陀仏だ。それに今後製造業が好況になるはずもない。

慌てふためいた。しかしじっとしている訳にはいかない。
そのため取った行動は。先ず海外進出、中国への進出方法を探った。セミナーへも
進んで出席した。だが、零細町工場単独進出はリスクが大きくどこかと手を組むあるいは
国内実績を積みその上で支援を受けながら国外へ出るのが懸命だと分かった。
分かっただけでは飯は食えない。今の状況では注文がないのだから仕事はなく
倒産の文字が目の前にちらつくだけだ。

考えた。国内で飯が食っていける分野はどこかと。考えた。やはり環境分野だ。
汚泥の乾燥については既に手を掛けていたので他のこれから飯が食っていける分野の
乾燥機の開発をできるところを探した。
戦略を手探りで考えた。その戦略は競合他社が気がつかない大手が手を出さない狭い分野。
他社が手を出す前に大手が入り込めない小さな市場。それもこれから衰退しない環境の分野。
幸運なことに回答は向こうからやって来た。懸命に模索している最中に何と向こうからやって
来たのだ。勿怪の幸いだ。その話に即乗りさらに借金を重ねるのは少々考えはしたが
即座に開始した。それがなかなか成功しない。金は飛んでいく一方で時間もかかる。
汚泥の実績があるだけに簡単に考えていたのだが予想もしない失敗が続く。
だが何とか開発成功にこぎつける。職人皆の頑張りもありようやく開発成功したのだ。
それにその開発機をもとに補助金そして助成金申請を重ねる。もらえるものは何でも
もらわないとそれこそ飯の食い上げだ。
職人らの苦労の甲斐もあり木質乾燥機の開発に成功し又一つ飯の種が増えたのだ。

だが売れない。引き合いは多く乾燥テストも数を重ねる。これからの分野との考えは
的中しているとは思われる。だが未だに売れてはいない。売れないのだ。
確かに開発成功したからと言って即座に売れるはずもない。
売れる方法を探っていかねばならない。まだまだ積極的に攻めなければならないと
自負している。木材乾くんは今後バイオマスが活発になるに連れ新たな売れ方もあるだろうと
日夜模索しているところだ。

実のところ弊社は9月頃から次第に受注は増え今現在は忙しい日々を送っている。
だが今後この状態が長く続くとは露程にも思ってはいない。
むしろ製造業不況はこのまま続くと思っている。海外現地生産は活発化し国内空洞化は
さらに大きくなる。
弊社町工場の今後の戦略は環境分野へのさらなる深耕とそして海外への販売だ。
既に韓国には実績はあるのだがやはり中国だと思っている。日本国内市場は萎む一方だろう。
いつも来年こそは飛躍の年にしたいのものだと思うのだが。
来年も環境と海外とのキーワードを胸に今年の書き納めとしたい。



それでは良いお年をお迎え下さい。今年もお世話になりました。


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2009.12.30 by 博多の森と山ちゃん


2009年12月05日

12月5日 【なぜ、今バイオマスなのか(9)林業は今後】 木質バイオマスと木材チップ乾燥機



日本の林業が再生、活性化されるためには間伐材、林地残材を大いに利活用するのは
たいへん重要な事実であろう。新エネルギーであるバイオマスでの利用は林業再生への
救世主となり得るのではないか。あくまでも木を育てる目的は木工品、建築物利用のため
である。だが、見捨てられていた間伐材、林地残材の利用が促進されれば自ずと化石燃料
との比較でも見劣りしないコストの低減化が期待できる。地産地消、そして地方地域での
重要なエネルギー資源として成立できる。間伐材利用こそが外材輸入に頼らず本来の
森林、木の育成、林業再生への近道だと思われる。だが本当にそうであろうか。
今回は林業の今後について記載します。
だが、弊社はあくまでもものづくりで生計を立てており木材について携わった経験は皆無に
等しい。今後記載する内容は文献に頼っている旨お許し頂きたい。


下記ビデオ掲載の木材チップ乾燥機【木材乾くん】は岡県森林林業技術センター殿
提案・協力 により開発致しました。
火気未使用熱源低圧蒸気仕様の連続コンベア式木材チップ乾燥機です。






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林業は今後

間伐材の出口が解放されていれば木材は流れる。補助金をいくら注ぎ込もうが出口が
塞がれていれば木材の生産は増えない。無理に増やせば過剰生産、価格の下落が
待っている。やはり森林の様々な木材を無駄なく利用する必要がある。
例として「カスケード利用」がある。高価な建築用材が最初に取られ次に集積材そして
ボード類、製紙用チップの順に取られる利用だ。森林伐採での末木枝条、残廃材、
木材加工場での屑材、木質廃棄物はエネルギー材と利用しそこで生産された熱、
電力を低質材の加工に振り向ける。余剰の電気、熱は外部販売され、電気需要の
大きさから生産過剰の心配はない。このカスケード利用は山元だけができる。
並材や低質材は山元で加工し付加価値を付けるようにする。従来の丸太、チップの
まま出荷していたのでは買い叩かれ安価な原料供給基地へ転落する。
過去、日本の中山間地には様々な木材加工場があった。ところが戦後山村が
未加工の素材供給基地となってしまったため所得は減り木材産業は廃れた。
ここに新たな木材総合産業を興すことこそが中山間地の活性化そして民有林を健全に
保つことができる。広大な民有林を公的資金で賄えないしボランティアで支えれる性質
のものではない。
新しい木材産業は安定供給、計画生産が必要になる。地域内生産林は木材総合産業
の原料供給部門として位置づけられ地域経済の寄与の視点から評価され得る。
材木の育成のみを造林の利回り云々するのは無意味になるのではないか。

日本に限らず先進国の中小私有地は転機を迎えている。森林伐採頻度は減少し森林
蓄積量は増加傾向にある。原因は森林所有者が伐採収入を当てにしない、生産的
利用に関心を持たなくなった、森林の保有目的が自然保護、アメニティに移っていること
などがある。特に近年では林業経営だけでは生計は立てることは困難な状況だ。
安定した所得源があり兼業的に森林構造の維持、資産あるいはホビーの対象としての
管理のケースが増えている。だが、一方私的所有の森林であっても地域景観の重要な
構成要素であり公共材的な性格を強めてきている。今後森林利用に公的規制が増加する
可能性が高い。デンマークの私有林の森林面積は4分の3で森林全体の90%は保存林だ。
保存林は森林以外の転用は難しく、伐採後の更新、若齢林の保有、壮樹林の間伐、未熟林
の皆伐禁止などが義務つけられている。ではデンマーク私有林の経営は森林の取り扱いの
設計、実施を殆どコンサルタントに頼っている。コンサルタントは森林所有者の組合と民間会社
で、実際の作業は組合や企業が行うあるいは別の請負会社が行う場合もある。
スウェーデンも同様で森林の経営には直接携わらず請負会社や組合に何もかもやらしている。
詰まり森林所有者に代わり巨大な林業の産業が森林を支配しているような姿ということだ。
さて、日本の私有林は一体どうなるのだろうか。

今内容の出典元は「木質バイオマス発電への期待」熊崎実著 林業改良普及双書です。
ご興味がある方は是非本を手にしお読みください。今内容以上に詳細に理解ができます。
又、私は決してこの出版社の回し者のでもなんでもありません。


ここで参考に日本の森林面積について記します。
日本の森林の面積は国土面積の67%。
国が所有し、管理経営している森林を国有林と言い、その面積は国土面積の20%。
(その20%の内天然林が60%、人工林が31%、その他が9%)
個人または法人が所有する森林、私有林は国土面積の39%
地方公共団体が所有する森林、公有林は国土面積の7%です。


林業に関しての記述は今回で終わります。
だが、今後森林管理においても木質バイオマスとの係わりはより密接になるだろうし
又、ならなくてはならないと思える。それは如何に林業を儲かる産業にするかのひとつの
解決の糸口にはなるはずだ。
確かに、搬出コストの問題、分散森林であるがために間伐コストの問題など課題はある。
間伐材、林地残材の出口の販路を築き地域社会に貢献でき得る循環型エネルギー社会の
形成をどう行っていくかが林業再生への鍵になるになるのではなかろうか。
ただ、私自身はものづくりで生計を立てており林業には一切携わっておらず全て書籍を頼り
に述べているに過ぎない。だが、木質バイオマスが林業再生、林業活性化に繋がるのであれば
そのものづくりの面から今現在そして今後も手助けできればとの思いでいるのは間違いがないと
明確に書きとめておく。


ここで木質バイオマスの必要性を論じている書籍の内容を記す。

1)再生可能なエネルギー 燃焼してもその分植林すれば再生が可能。
2)温暖化防止 カーボンニュートラルな資源の活用。
3)クリーンなエネルギー 完全燃焼すれば煙、窒素酸化物の発生を抑える事が出来る。
                又、灰を森林へ戻せる。
4)石油依存体制からの自立 産油国に振りまわされることなく独自エネルギーを手にできる。
5)貯蔵可能なエネルギー バイオマスの中で容易に貯蔵できるのは木質バイオマスだけ。
6)産業の創出 地域に新たな仕事、雇用を生む。生産、加工、供給全てが地元に直接結びつく。
          地域経済への貢献度が高い。
7)森林の育成 地域の森林に新たな価値が生まれる。森林整備の進展が期待できる。
8)地域産材の徹底利用 製材廃材、松くい虫被害材、ダム流木などゴミとされたものを
                資源として生まれ変わらせることができる。
                又、地域産材の利用度を上げ林業生産の底上げに繋がる。
9)地域社会の活性化 地域独自のエネルギーセーフネットの構築が可能になる。
               循環型社会実現に向けた運動が始まる。

出典元「森林バイオマス」NPO法人SDG 伊那谷森林バイオマス利用研究会編
     川辺書店出版


今シリーズ次回より具体的に木質バイオマスの内容に入ろうと思います。


火気未使用。熱源低圧蒸気連続コンベア式乾燥機、木材チップ乾燥機【木材乾くん】。
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2009.12.5 by 博多の森と山ちゃん


2009年12月04日

12月4日 【なぜ、今バイオマスなのか(8)伝統的な林業は】 木質バイオマスと木材チップ乾燥機



我が日本のエネルギー自給において今後、いや今現在再生可能エネルギー利活用は
必要不可欠なはずだ。太陽光、風力はどうしても天候に左右される。
天候の関係はなしにエネルギーが供給できるバイオマスは稼働率の点からも
有利だ。そのバイオマスも様々な種類があるが今現在焦点を当てているのが
木質バイオマスだ。だが問題は多々ある。その問題点のひとつが木材供給元であるはずの
林業が抱えている。その林業に前回のエントリー同様今回も焦点を当てたい。
今回までは前回同様林業の過去から最近までの姿について記載します。
だが、弊社はあくまでもものづくりで生計を立てており木材について携わった経験は皆無に
等しい。今後記載する内容は文献に頼っている旨お許し頂きたい。







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伝統的な林業は

木材生産量の大きな減少は経済の国際化からは取り残され国内林業の競争力は
急速に力を失った。もともと国内林業は労働集約的で過去木材消費量が膨大であった
事もあり労力をかけても単位面積当たりの収穫量を多くするやり方だった。
転換期が70年半ばで、安い外材がいくらで入るようになる。ここでコスト削減と言う方法を
取らず良質材を生産する方法が選ばれた。年輪のつんだ通直な無節材を作れば外材と
競争なしに高く売れるからだ。だが、そのためには密植して下刈、枝打ち、間伐を繰り返さ
なければならずどうしても労働投下量が多くなる。その結果欧米諸国と比較すると
単位面積当たりの人員が10倍程度も必要となった。それでも高価でも一時期優良材は
売れていた。ところが最近は年輪、節、色つやの特質はあまり評価されず優良銘柄の
値崩れが目立つようになる。手工芸的職人的な利用から工業的工場生産的な利用へと
変化した。従来、職人が自然の樹木の個性を生かし木工品や建築物を作ってきたが、
木材の個性は無視され信頼性の高い均質な材料に作りかえられるようになった。
木の大きさ形状関係なく分け隔てなく使われる合板、集成材、バーティクルボード、
ファイバーボードなど並材、低質材の時代へと変化していった。

木材供給側も海外では成長が早い早生樹を育成し短伐期で回転させる方式が台頭し
ユーカリ造林などはその典型だ。今後このやり方が熱帯、亜熱帯を中心に増加すると
予想される。世界の天然資源が枯渇しているにも係わらず値段が上昇しないのは
こういった生産面、消費面での変化のためだ。日本のスギの立木価格は国際的には
決して安くはない。だが、人手を掛ける人工林業では採算が合わないのだ。
50、60年生を皆伐してもその代金で伐採跡地を再造林する経費は出ない。
これまでは森林所有者の道義心で人工林を切れば植えていた。ヨーロッパ諸国のような
伐採後の造林義務付けの法律なしに再造林は行われていた。だが背に腹は代えられない。
その再造林さえも危うくなっている。
又、皆伐すると造林が不可能になる。並材、低質材の時代になったとしても皆伐林業が
台頭することはなく、日本では間伐でつないでいくことになるだろう。

間伐の繰り返しであれば間伐材が低質材など商品化されなければならない。だが、実際は
間伐材で収入を上げるのは難しい状況だ。その最大の要因は出材コストだ。日本の山の
地形は複雑で急峻の上、森林所有規模が零細で分散している。手作業中心から機械化が
進み、品質よりもコスト勝負となると地形と所有構造がマイナス要因となる。
コストを下げるには木材搬出路の整備だ。林道は森林経営のインフラでありこれがなければ
今後の長伐期多間伐林業はあり得ない。又、所有と経営の分離をはかりまとめて間伐そして
計画的に実行できるようにする。
我が国の私有林は農地に付随し、過去農業生産に必要な緑肥、敷料、飼い葉、燃料を供給
していた。やがて戦後の木材景気で針葉樹の人工林に転換されたが今はその人工林から
収入は上げることはできず森林保有が負担となり、森林所有の意味がなくなっている。放置
森林は広がり計画的施業はますます困難になっている。本来、森林は地域経済を支える
重要な資源であるべきだ。
今後間伐の収支が合うようにするには1)集団間伐そして2)間伐材販路の確保である。


今内容の出典元は「木質バイオマス発電への期待」熊崎実著 林業改良普及双書です。
ご興味がある方は是非本を手にしお読みください。今内容以上に詳細に理解ができます。
又、私は決してこの出版社の回し者のでもなんでもありません。

今シリーズ林業については次回まで続きます。


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木材チップ乾燥機のカタログ



それでは又です。


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2009.12.4 by 博多の森と山ちゃん


2009年12月02日

12月2日 【なぜ、今バイオマスなのか(7)林業は一体】 木質バイオマスと木材チップ乾燥機



バイオマスの中でも食料問題そして効率、エネルギー収支から木質バイオマスは有利な立場に
あると思われる。ところがこの木質は様々な問題を抱えている。その問題ついて探求していき
たいと思う。
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林業の過去

必ず推進すべき木質バイオマスでな先ず原料の供給元である森林の問題に突き当たる。
課題は国内の林業の大きな不振だ。

過去、第二次世界大戦後木材市場は好景気に沸いていた。売れそうな木は手当たり次第
切り出され、山は年を経るごとに薄くなっていった。山岳地帯の国有林の天然の林でさえ
伐採が進み丸坊主の山があちこちに出てきた。雑木林、成長が止まった老齢の天然林さえも
積極的に伐採され当時は成長の早い針葉樹の人口林に変える政策が取られていた。
広範囲の伐採、皆伐により山崩れ、川の流れの不安定さにより土砂崩れ、洪水が何度も
あちこちで起き、木材供給増加のため人工造林が急がれた。だが、林木が収穫できるように
なるまでには20年、30年はかかる。需要増加には到底間に合わない。その結果、外国産
の木材が大量に輸入されるようになる。日本の林業は安い外材に負け市場競争力を失い
木材生産量はとめどもなく落ち込んでいく。
だが、外材輸入のお陰で日本の森林は救われた面もある。もし外国産を輸入しなけければ
日本の森林はさらに荒れひどい結末を迎えることになっただろう。
一方、東南アジアでの日本への木材輸出により森林消滅と言う由々しき問題が本格化
していく。熱帯雨林の乱暴な伐採により破壊されていった。森林破壊の現場が日本から
海外へ移った訳だ。これは熱帯、北方の森林の犠牲の上で国内の森林の保護が成り
立っていたと言える。
ところが国内での森林を管理し早く自前で木材が出荷できるようにしなければいけない
この期間森林放棄と言う最悪の事態が待ち構えていた。国内森林4割の人工林がまともに
除伐、間伐されず放置されたままになっている。森は間伐されなければ過密になり
活力を失い携わる人々は収入がなくなり人は出て行き管理ができなくなる。
その原因は間伐材の出口の問題だった。間伐されても利用されず経費は国の補助
だけで足りず所有者にはコストの負担がある。間伐材の行き先がないのであれば
収入はない上、お金を取られる。これでは誰も森の管理はやらなくなる。
そこで間伐材を利活用する様々な活動が行われている。その中でも木質バイオマス
での利活用は大いに期待したい。


林業の危機

80年以降1000年以上に渡って活況を呈した森が利用されなくなり木材生産量は
減少の一途を辿り木材自給率は20%を切っている。
世界全体の流れは原生林の時代は終わり木材生産は人工林に移りつつある。
特にヨーロッパ諸国では木材生産量が増えている。これは林業に対する考え方の
違いにあるのではないか。例えばイギリスでは人工林を保有するのは金融機関や
投資家であり、経営は民間の林業請負会社。請負会社はたくさんの山を一括経営。
学卒の若い技術者が能率的な林業機械を使いこなす。
一方、日本は林業の長い伝統に縛られ年輩者が細々と家族経営でやっている。
この差が出たのかも知れない。

又、価格の問題がある。建築用材木の価格には1)製材品、2)製材用丸太(素材)
そして3)伐採される前の立木の価格の3種類がある。これらのうち立木価格の下落が
著しい。
60年代までは木材需要旺盛での国産材立木は高い価格だった。
だが、70年代に入り木材需要の伸びがなくなり外国産木材の輸入に伴い次第に外材が
市場価格をリードするようになると国内産丸木、立木の値段を押し下げた。
日本の製材業は規模が小さく機械化も遅れた。70年代以降北米、北欧との生産性
格差が目立つようになる。平均賃金の上昇、生産コストの上昇も影響した。
大型機械を使用する欧米と比較すると労働生産性に3倍の開きがある。
(森林の山の形も影響しているのだろうか。)
85年以降は木材市場はほぼ完全に国際化され外材も資源の枯渇により上昇するように
なる。製材価格も上がっている。しかし、国産材特に立木の価格は下がっている。
以前とは様相が変化が出てきている。建築様式の変化に伴いスギ、ヒノキの需要の
減少。一方供給側は政府の助成などで生産量を増やそうとする。需要と供給の関係が
崩れている。
又、木質材料は人工乾燥、再加工、仕上げ加工と工場化され、従来大工が製材工場
からの挽材そのまま建築現場へ持ち込むことはなくなって行った。
住宅での立木代のコストのウエイトが次第に低下し材木を育てる森林保有者へ行く
お金が減少傾向にある。


今内容の出典元は「木質バイオマス発電への期待」熊崎実著 林業改良普及双書です。
ご興味がある方は是非本を手にしお読みください。今内容以上に詳細に理解ができます。
又、私は決してこの出版社の回し者のでもなんでもありません。

今シリーズまだまだ続きます。


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