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2009年12月05日

12月5日 【なぜ、今バイオマスなのか(9)林業は今後】 木質バイオマスと木材チップ乾燥機



日本の林業が再生、活性化されるためには間伐材、林地残材を大いに利活用するのは
たいへん重要な事実であろう。新エネルギーであるバイオマスでの利用は林業再生への
救世主となり得るのではないか。あくまでも木を育てる目的は木工品、建築物利用のため
である。だが、見捨てられていた間伐材、林地残材の利用が促進されれば自ずと化石燃料
との比較でも見劣りしないコストの低減化が期待できる。地産地消、そして地方地域での
重要なエネルギー資源として成立できる。間伐材利用こそが外材輸入に頼らず本来の
森林、木の育成、林業再生への近道だと思われる。だが本当にそうであろうか。
今回は林業の今後について記載します。
だが、弊社はあくまでもものづくりで生計を立てており木材について携わった経験は皆無に
等しい。今後記載する内容は文献に頼っている旨お許し頂きたい。


下記ビデオ掲載の木材チップ乾燥機【木材乾くん】は岡県森林林業技術センター殿
提案・協力 により開発致しました。
火気未使用熱源低圧蒸気仕様の連続コンベア式木材チップ乾燥機です。






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林業は今後

間伐材の出口が解放されていれば木材は流れる。補助金をいくら注ぎ込もうが出口が
塞がれていれば木材の生産は増えない。無理に増やせば過剰生産、価格の下落が
待っている。やはり森林の様々な木材を無駄なく利用する必要がある。
例として「カスケード利用」がある。高価な建築用材が最初に取られ次に集積材そして
ボード類、製紙用チップの順に取られる利用だ。森林伐採での末木枝条、残廃材、
木材加工場での屑材、木質廃棄物はエネルギー材と利用しそこで生産された熱、
電力を低質材の加工に振り向ける。余剰の電気、熱は外部販売され、電気需要の
大きさから生産過剰の心配はない。このカスケード利用は山元だけができる。
並材や低質材は山元で加工し付加価値を付けるようにする。従来の丸太、チップの
まま出荷していたのでは買い叩かれ安価な原料供給基地へ転落する。
過去、日本の中山間地には様々な木材加工場があった。ところが戦後山村が
未加工の素材供給基地となってしまったため所得は減り木材産業は廃れた。
ここに新たな木材総合産業を興すことこそが中山間地の活性化そして民有林を健全に
保つことができる。広大な民有林を公的資金で賄えないしボランティアで支えれる性質
のものではない。
新しい木材産業は安定供給、計画生産が必要になる。地域内生産林は木材総合産業
の原料供給部門として位置づけられ地域経済の寄与の視点から評価され得る。
材木の育成のみを造林の利回り云々するのは無意味になるのではないか。

日本に限らず先進国の中小私有地は転機を迎えている。森林伐採頻度は減少し森林
蓄積量は増加傾向にある。原因は森林所有者が伐採収入を当てにしない、生産的
利用に関心を持たなくなった、森林の保有目的が自然保護、アメニティに移っていること
などがある。特に近年では林業経営だけでは生計は立てることは困難な状況だ。
安定した所得源があり兼業的に森林構造の維持、資産あるいはホビーの対象としての
管理のケースが増えている。だが、一方私的所有の森林であっても地域景観の重要な
構成要素であり公共材的な性格を強めてきている。今後森林利用に公的規制が増加する
可能性が高い。デンマークの私有林の森林面積は4分の3で森林全体の90%は保存林だ。
保存林は森林以外の転用は難しく、伐採後の更新、若齢林の保有、壮樹林の間伐、未熟林
の皆伐禁止などが義務つけられている。ではデンマーク私有林の経営は森林の取り扱いの
設計、実施を殆どコンサルタントに頼っている。コンサルタントは森林所有者の組合と民間会社
で、実際の作業は組合や企業が行うあるいは別の請負会社が行う場合もある。
スウェーデンも同様で森林の経営には直接携わらず請負会社や組合に何もかもやらしている。
詰まり森林所有者に代わり巨大な林業の産業が森林を支配しているような姿ということだ。
さて、日本の私有林は一体どうなるのだろうか。

今内容の出典元は「木質バイオマス発電への期待」熊崎実著 林業改良普及双書です。
ご興味がある方は是非本を手にしお読みください。今内容以上に詳細に理解ができます。
又、私は決してこの出版社の回し者のでもなんでもありません。


ここで参考に日本の森林面積について記します。
日本の森林の面積は国土面積の67%。
国が所有し、管理経営している森林を国有林と言い、その面積は国土面積の20%。
(その20%の内天然林が60%、人工林が31%、その他が9%)
個人または法人が所有する森林、私有林は国土面積の39%
地方公共団体が所有する森林、公有林は国土面積の7%です。


林業に関しての記述は今回で終わります。
だが、今後森林管理においても木質バイオマスとの係わりはより密接になるだろうし
又、ならなくてはならないと思える。それは如何に林業を儲かる産業にするかのひとつの
解決の糸口にはなるはずだ。
確かに、搬出コストの問題、分散森林であるがために間伐コストの問題など課題はある。
間伐材、林地残材の出口の販路を築き地域社会に貢献でき得る循環型エネルギー社会の
形成をどう行っていくかが林業再生への鍵になるになるのではなかろうか。
ただ、私自身はものづくりで生計を立てており林業には一切携わっておらず全て書籍を頼り
に述べているに過ぎない。だが、木質バイオマスが林業再生、林業活性化に繋がるのであれば
そのものづくりの面から今現在そして今後も手助けできればとの思いでいるのは間違いがないと
明確に書きとめておく。


ここで木質バイオマスの必要性を論じている書籍の内容を記す。

1)再生可能なエネルギー 燃焼してもその分植林すれば再生が可能。
2)温暖化防止 カーボンニュートラルな資源の活用。
3)クリーンなエネルギー 完全燃焼すれば煙、窒素酸化物の発生を抑える事が出来る。
                又、灰を森林へ戻せる。
4)石油依存体制からの自立 産油国に振りまわされることなく独自エネルギーを手にできる。
5)貯蔵可能なエネルギー バイオマスの中で容易に貯蔵できるのは木質バイオマスだけ。
6)産業の創出 地域に新たな仕事、雇用を生む。生産、加工、供給全てが地元に直接結びつく。
          地域経済への貢献度が高い。
7)森林の育成 地域の森林に新たな価値が生まれる。森林整備の進展が期待できる。
8)地域産材の徹底利用 製材廃材、松くい虫被害材、ダム流木などゴミとされたものを
                資源として生まれ変わらせることができる。
                又、地域産材の利用度を上げ林業生産の底上げに繋がる。
9)地域社会の活性化 地域独自のエネルギーセーフネットの構築が可能になる。
               循環型社会実現に向けた運動が始まる。

出典元「森林バイオマス」NPO法人SDG 伊那谷森林バイオマス利用研究会編
     川辺書店出版


今シリーズ次回より具体的に木質バイオマスの内容に入ろうと思います。


火気未使用。熱源低圧蒸気連続コンベア式乾燥機、木材チップ乾燥機【木材乾くん】。
福岡県森林林業技術センター殿提案・協力 により開発致しました。
木材チップ乾燥機のページ

木材チップ乾燥機のカタログ



それでは又です。


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2009.12.5 by 博多の森と山ちゃん